Web広告は、種類によって広告の出稿形態や運用に必要な費用の相場、課金方式が大きく異なります。
そのため、広告の目的や予算に合わせて適切な手法を選ぶことが重要ですが、費用感がつかめないと自社に合うWeb広告の選択が難しいですよね。
そこで本記事では、主要なWeb広告9種類の費用相場を一覧でご紹介。また、Web広告の課金方式の特徴や、予算設定のポイントについても詳しく解説します。Web広告の予算を検討する際の参考として、ぜひ活用してください。
目次
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Web広告の費用のかかり方、課金方法の特徴は?
Web広告とは、検索結果やWebサイト、SNS、アプリ等のインターネット上のあらゆる場所において掲載・公開される広告の総称です。「ネット広告」とも呼ばれるものであり、その課金方式は、大きく以下2つのパターンに分けることができます。
- 広告を掲載する枠や期間、機会等を買い切るタイプ
- 表示やアクションの回数、成果を基準とするタイプ
そこでまずは、Web広告の主な課金方式について、具体例とともに確認していきましょう。
Web広告の掲載期間や機会を買い切るタイプの課金方式の例
掲載の期間や機会、また特定の枠を買い切るタイプの課金方式では、指定のスペースや条件下において、一定の期間・回数Web広告を表示する権利を買うことに対して費用が発生します。
具体的な例としては、広告掲載の期間や枠を1日単位で購入し、日数に応じて週額や月額で費用を支払う掲載日数課金型や掲載期間保証型、また事前にWeb広告の表示回数を設定しておき、その回数に応じて広告費用を支払うインプレッション保証型、またはPV(ページビュー)保証型などの課金方式が挙げられるでしょう。
これらの方式は、広告の掲載期間や掲載場所が保証されるメリットがある一方、広告の効果に関わらず費用が発生するというデメリットもあります。広告枠の人気度や競争率によって費用が大きく変動することがあるので、注意が必要ですね。
Web広告の表示、反応の回数等を基準とする課金方式の例
一方でWeb広告の表示回数やクリック、いいね、拡散、アプリのインストールや商品の購入等の反応数に応じて、広告費用が発生する課金方式もあります。
例えば、Web広告が1,000回表示されるごとに料金が発生するCPMやインプレッション課金型、ユーザーが広告をクリックした回数に応じて課金されるCPC、動画の視聴・再生回数課金型であるCPVの他、ユーザー側が広告主が求めるインストールやエンゲージメント等の反応をした(アクションを起こした)場合にのみ費用が発生するCPAやCPI、CPEなどが挙げられます。
これらの方式では、Web広告の効果に応じて費用が変動するため、予算管理がしやすいというメリットがあります。ただ、広告の内容や見せ方によって反応率が大きく変わるため、効果的に運用するにはWeb広告の質を高めることが重要になってくるでしょう。
また不正なクリックによって無駄な費用が発生しないように、対策する必要も出てきます。
【主要なWeb広告9種類】特徴と費用相場の一覧
Web広告の課金方式について大まかに理解できたら、次は、主要なWeb広告の特徴と費用相場について見ていきましょう。
Web広告のうち、特に選択肢となることが多い9種類の広告の特徴と出稿に必要な費用の目安は、それぞれ以下の通りです。
リスティング広告の費用相場
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などのキーワード検索の結果一覧の上部、または下部に「スポンサー」などの表記とともに表示されるWeb広告のこと。「検索連動型広告」とも呼ばれるもので、特にそのキーワードに関する商品、サービスに関心が高い顕在顧客に対して高い広告効果が期待できるのが特徴です。
リスティング広告の費用相場は、キーワードの競合度や業種により大きく異なりますが、一般的には1クリック当たり数十円から数百円程度とされています。ただし、競合の激しい人気キーワードでは1クリックで1,000円以上かかることもあるため、予算設定の際は、1日の予算上限の範囲内で入札単価を調整する必要があります。
1か月あたりの広告費用の目安としては、競合が少ないキーワードを狙うのであれば10〜20万円、競合の激しいキーワードであれば50万円前後といったところでしょう。
ディスプレイ広告の費用相場
ディスプレイ広告とは、特定のWebサイトやページの広告枠に表示されるWeb広告のこと。
「バナー広告」とも呼ばれるもので、画像やテキスト、動画、音声を用いて商品やサービスを宣伝できるところ、またリスティング広告に比べブランディング効果が高い点が特徴です。
ディスプレイ広告の費用相場は、広告の種類や掲載場所、配信方法等により変わってきます。
ただ一般的には、CPMまたはCPC方式で費用が決定されることが多く、CPMでは1,000回表示あたり数十円から数百円程度、CPCでは1クリックあたり50〜100円程度が相場とされます。
ただ、大手メディアや人気サイトへの掲載では、CPMが1,000円以上と高額になることも。予算設定の際は、広告の目的やターゲットに合わせて、適切な媒体や課金方式を選定しましょう。
リターゲティング広告の費用相場
リターゲティング広告は、一度自社のWebサイトを訪れたユーザーに対して、再度広告を表示する手法です。既に自社の商品、サービスに興味を持っているユーザーにアプローチできるため、高い費用対効果が期待できます。
リターゲティング広告の費用相場は、他の広告手法と比べると比較的安価な傾向にあります。具体的には、CPMやCPC方式で費用が発生することが多く、それぞれ数十円から数百円程度が相場とされています。
ただ、同一ユーザーに対しあまりに高頻度で表示させると嫌悪感を持たれる恐れもあります。
リターゲティング広告で高い広告効果を上げたいなら、同一ユーザーへの広告表示回数の上限等の設定は、適切に行う必要があると覚えておきましょう。
ネイティブ広告の費用相場
ネイティブ広告は、商品・サービスと親和性の高いメディアの記事やコンテンツと同じ形式でWeb広告を掲載する手法です。ユーザーに受け入れられやすいため、ブランドイメージの向上や潜在顧客の獲得に適した広告手法だと言えます。
ネイティブ広告の費用相場は、広告の種類や掲載メディアの規定によって大きく異なります。
一般的には、CPCやCPMの他、掲載期間保証型などの課金方式があり、出稿のための費用目安としてはCPCで1クリックあたり数十円、CPMでは1,000回表示あたり数百円〜数千円ほど。
また掲載期間保証型では、想定されるPV数やクリック数×数十〜数百円、または掲載期間あたり数万〜数百万円などと設定されるケースが多いでしょう。
SNS広告の費用相場
SNS広告とは、InstagramやX(旧Twitter)、Facebook等のSNS上に配信する広告の総称です。
他のWeb広告に比べてターゲティングの精度が良いのが特徴で、自社のターゲット層や目的に合わせて適切なプラットフォームを選択することができれば、高い広告効果が期待できます。
なおSNS広告の費用相場や課金方式は、種類により大きく異なります。一般的にはクリック数や表示回数ごと、またはアプリのインストールやいいね等の何らかのCV(コンバージョン)を達成した場合に費用が発生するとしているケースが多く、それぞれ数十〜数百円が目安です。
このように、SNS広告は比較的安価で始められるところが魅力の一つですが、広告の運用方法によっては、思わぬ方向に費用が膨らんでしまうリスクもあります。予算設定の際は1日の上限の範囲内で広告を運用しましょう。
動画広告の費用相場
youtubeなどで動画を視聴している際に、テレビCMのように表示されるのが動画広告です。
音声や映像などを用いて広告を出せるため、文字や画像だけを使ったリスティング広告やネイティブ広告、後述する記事広告等に比べ、視覚的に情報を伝えやすいという特徴があります。
動画広告の費用相場は、広告の種類や動画の長さ、配信方法等により変わりますが、比較的高額になる傾向にあります。ただ一般的には、動画が1回再生されるごとに数円~数十円、または一定時間動画が再生されるごとに費用が発生する動画視聴型、そして動画が1,000回表示されるごとに数十~数百円が発生するインプレッション課金型を採用していることが多いでしょう。
なおWeb上に動画広告を出すには、別途、動画広告を制作するための費用が必要になります。
高品質な動画を制作するには、数百万円以上のコストがかかることもあるため、動画広告を出稿する際には、制作費用と掲載費用の適切なバランスについても考えなければなりません。
アフィリエイト広告の費用相場
アフィリエイト広告とは「成果報酬型広告」とも呼ばれるもので、出稿した広告を経由して商品やサービスの購入等、何らかのCVが発生した場合にのみ、費用が発生するWeb広告です。
具体的には、自社のアフィリエイト広告を出稿するブログやサイトの運営者に対して費用を支払うものであり、その相場は商品やサービス売上の数%から30%ほど。また近年では、個人のブロガーやアフィリエイターだけでなく、アフィリエイト広告を出稿できる場所・サイトを提供するASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)と契約し出稿する方法も選択できます。
なお、ASP経由でアフィリエイト広告を出す場合には、成果報酬とは別に数万円単位の初期費用と月額費用がかかるのが一般的です。さらにアフィリエイト広告経由で商品やサービスを購入してもらうためには、自社サイトに魅力的な商品紹介ページ等のコンテンツを作成して、ユーザーをCVまで導かなければなりません。
記事広告の費用相場
記事広告とは、WebサイトやWebメディアに掲載される記事のうち、冒頭に「広告」「PR」「スポンサー」である旨が書かれているもののことを言います。わかりやすく言うと、テレビや雑誌で自社の商品・サービスの特集記事が組まれ、紹介されるようなイメージになります。
メディアの記事と同じ形式で掲載されるため、読者に自然に受け入れられやすい一方で、広告原稿の作成には一定の時間と費用が必要になるのが特徴です。記事広告の費用相場は、記事の種類や掲載メディアによって大きく異なりますが、安い場合でも数十万円以上、知名度が高い有名なメディアへの出稿では100〜200万円程度かかることもあると言われています。
そのため記事広告を出稿する場合は、長期的な視点で予算を設定すること、そして広告内容とメディアの特性をマッチさせることが不可欠になるでしょう。
メルマガ広告の費用相場
メルマガ広告とは、既存顧客に向けて配信するメールに広告を掲載する手法のことです。
費用相場は、メールマガジンの購読者数や媒体の人気度合いによって異なり、配信数に応じて単価が変わる配信課金の場合で1件あたり数円~百円程度、クリック課金型では数百円、一斉配信では数円~数十円程度になることが多いでしょう。
メルマガ広告の魅力は、既に自社とある程度の信頼関係がある顧客に向けて、ピンポイントに広告を届けられるところにあります。しかしその一方で、企業規模が大きいほど、既存顧客が多いほど費用がかさんでしまうこと、また広告効果を高めるためには、ある程度質の高い原稿を作成しなければならないという注意点もあります。
メルマガ広告においては、原稿作成のノウハウが成功のカギを握ると言えるでしょう。
Web広告にはどのくらい費用をかけるべき?
Web広告を出稿するには、最低でも広告そのものと広告をクリックしたユーザーに見てもらうためのLP(ランディングページ)の制作費用、そして広告運用のための運用費用が必要です。
各ページの制作と運用にかかる費用は、安ければ数万円ほど。そのため、10万円程度の予算があれば、Web広告の制作・出稿・運用を行うことはできるでしょう。ただし、扱う商材やターゲット、広告の種類・形態等によっては、数百万円規模の予算が必要になることもあります。
企業がWeb広告にかけるべき費用額は、企業規模や商材の他、広告を出す目的や狙うべきメインターゲット層によって変わってくるものです。自社の事情や状況に合わせて、適切に媒体の選択と費用設定を行う必要があると理解しておいてください。
Web広告用の予算を決める際のポイント
自社と自社商材に合わせてWeb広告の費用を設定するには、いくつかのポイントがあります。
まず、今回の広告で自社の情報を届けたい人・自社商材の購入や会員登録等の行動を起こして欲しい人(=広告のターゲット)が、具体的にどのような年齢、性別、居住地域、興味、関心、検索履歴を持つ人かを考えてみてください。
その後、販売したい商品・サービスの単価や同業他社の売上高と広告費の比率等を参考にしながら、Web広告を出すことでどのくらいの売上と利益が見込めるのかを検討して、現実的にどのくらいの予算をかけられそうかを概算します。そうすれば、自社に見合った広告費用の目安が見えてくるでしょう。
あとは、自社のターゲットと広告出稿の主な目的に合わせて利用するWeb広告の種類を選び、出稿するだけです。以下に、Web広告を出す目的別におすすめの広告の種類を紹介していくので、自社に合うWeb広告を探す際の参考にご覧ください。
- 新しい顧客への認知度を高めたい場合:ディスプレイ広告、アフィリエイト広告、動画広告、SNS広告
- 自社を知る顧客の理解度を高めたい場合:リスティング広告、リターゲティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告
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Web広告の費用対効果を少しでも高めるには?
最後に、限られた予算でWeb広告の費用対効果を少しでも高めるためにできることを、2つ紹介していきます。こちらも、貴社にてWeb広告を出稿・運用する際に、ぜひお役立てください。
広告媒体ごとに予算上限を設けておく
Web広告の費用対効果を高めるには、広告媒体ごとに予算上限を設けておくことが重要です。これにより、コストの膨らみ過ぎを防ぐとともに、さまざまな媒体において費用バランスの取れた広告運用が可能になるでしょう。
なおWeb広告の費用は、定期的な効果測定に基づいて柔軟に見直していくことが大切です。
費用対効果の高い媒体により多くの予算を振り分けるようにするなど、データを活用した予算最適化にも取り組みましょう。
こまめに効果測定と広告の改善を行う
Web広告を出稿すると、その広告に関心を持った人の年齢や性別、居住地や得られた効果等について、数値情報を得ることができます。Web広告による費用対効果を高めていくには、ツールを使ってこれらの数値情報を取得・チェックし、PDCAサイクルをまわして定期的な効果測定と広告内容の改善を続けていかなければなりません。
「うまくいかない広告には、すぐに改善策を打つ」というスピード感を持つことが、大切だと覚えておいてくださいね。
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