企業が健全なSNS運用を行うためには、適切なSNS運用ガイドラインの策定が必要です。今回の記事では、企業のSNS運用におけるガイドラインの種類、必要な理由、作成手順、ガイドラインに取り入れるべき10個の項目などについて紹介していきます。
自社でSNS運用を行うにあたって、ガイドラインに必要な知識がいまいちつかめずに悩んでいる方は、ぜひご参考にしてください。
目次
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そもそも「SNS運用のガイドライン」とは?
ひとくちにガイドラインと言っても、用途に合わせて様々な種類が存在します。ガイドラインの制定をする前に、まずはSNS運用のガイドラインが何を指すのか確認しておきましょう。
社内で共有する「公式SNS運用ガイドライン」
企業がSNSを運用する場合、「公式SNS運用ガイドライン」の作成が求められます。記載する内容は、SNSの運用目的、投稿方針、問題への対処法など。今後何かトラブルが発生しても、問題なく運用が進められるようにする効果があります。
これに加えて、機密情報の取り扱い、第三者の権利保護、誹謗中傷の禁止などのルールも記載しましょう。これによって、企業が保有する利益を守ります。
なお、ガイドラインを作成する際は、関連部署と協議しながら進めていくことが大切です。経営層の承認を得ることも忘れないようにしましょう。
社外に発信する「SNS運用ポリシー」
社外向けの「SNS運用ポリシー」を決めることで、企業の信頼性も高められます。なぜなら、組織としてどのような姿勢を持ってSNSを活用するのかを示せるからです。具体的には、「ユーザーと密接にやり取りをする」「正しい情報を発信する」などが例に挙げられます。
これらの取り組みから、投稿の炎上をはじめとしたリスクを軽減できる上に、ユーザーからの好感を集めることが可能です。
社外に発信する「コミュニティガイドライン」
社外向けの内容としては、ユーザーに守ってほしいルールをまとめた「コミュニティガイドライン」を定めることも求められます。誹謗中傷や勧誘行為をはじめとしたモラルにかかわる注意点などを記載してください。この存在によって、ユーザーにとって健全なSNSを実現できます。
また、コミュニティガイドラインに違反した際の対処についても明記しましょう。投稿の削除やフォローの中止などを記載し、いざというときのために準備をしておきます。
ユーザーが気持ちよくSNSを楽しめるように、コミュニティ全体が自浄作用を持てるような働きかけを盛り込むこともおすすめです。
「社員全体向けのSNS運用ガイドライン」が作られることも
「社員全体向けのSNS運用ガイドライン」も作成することで、社員のSNSに対する意識を高められます。SNSリテラシーの向上や自発的かつ的確な判断が可能になるように、社員がSNSを使用する際の注意点を明記したものです。具体的な中身としては、「機密情報やプライバシーにかかわる情報は投稿しない」「プライベートのSNS利用の際も、会社の評判を低下させるような内容を投稿しない」などが主な例となります。
とはいっても、過度なルールでSNS利用を縛り付けることはあまりよくありません。人脈拡大や有益な情報の取得といったSNSのメリットを享受できるように、バランスのとれた内容を意識しましょう。
企業のSNS運用にガイドラインが必要な理由
そもそも、どうして企業がSNSを運用する際にガイドラインの策定が求められるのでしょうか。ここでは、おもな理由を2つ取り上げます。
SNS運用の目的や投稿方針を社内で共有し、属人化を防ぐため
もし退職や異動などによってSNS担当者が変更となった場合、今後のSNS運用の質が下がったり、運用そのものが停止してしまったりする可能性があります。そんな時にガイドラインが策定されていれば、担当者が変わっても方向性をそのままに運用を続けることが可能です。
ガイドラインの作成には時間と手間がかかります。しかし、質の高いガイドラインを作ることができれば、長期的なSNS運用の手助けとなるでしょう。
トラブルが起きた時の対処法を明確にし、企業利益を守るため
SNS運用によって投稿が炎上した場合、ガイドラインで対応部署、対応プロセス、投稿の削除基準などをあらかじめ決めておくことで迅速な対応が可能になります。こういった内容を明確に規定しておくことがトラブルを防止し、企業のブランディングにもつながっていくのです。
SNS運用ガイドラインの大まかな作成手順は?
SNS運用ガイドラインは、基本的に以下の4ステップに沿って作成していくと効率よく作業が進められます。下記の作り方をベースにしながら、自社の状況に合わせた方法で取り組んでみましょう。
【ステップ1:現状の可視化】 | 自社のSNSアカウントにおける現状を把握した上で、SNS運用によって達成したい目的を明確化する |
【ステップ2:骨子の作成】 | おおまかな作成内容をまとめて関連部署にチェックしてもらう |
【ステップ3:内容のブラッシュアップ】 | チェック内容をもとにより質の高いガイドラインを作成する |
【ステップ4:社内への周知】 | 作成したガイドラインを社内で共有する |
SNS運用ガイドラインで最低限押さえるべき10項目
SNS運用ガイドラインを作成する場合は、必ず入れておきたい項目が存在します。この段落では、そんなポイントを10個ピックアップしました。ガイドライン内容で迷っている場合は、ぜひご参照ください。
必須項目①基本方針・原則
SNS運用ガイドラインの基本方針・原則は、企業がSNSで何を発信したいか提示する大事な項目です。具体的な運用体制や役割などを明記しておくのもいいでしょう。
ここで気をつけたいことは、「時代の変化に合わせて内容をアップデートすること」です。時代にマッチしたSNS運用を実現することが、問題の発生も防ぎます。
必須項目②機密情報の保護
SNSによって社内の機密情報が社外に漏れてしまうと、莫大な利益の損失につながりかねません。たとえば、新商品に関する情報が漏えいした場合、それを見た競合他社が似た商品を発売する恐れもありますよね。
これに加えて、個人情報の扱いに関する記載も必要です。もし顧客の氏名、住所、メールアドレス、電話番号などの情報が流出してしまうと、顧客からの信用は大きく落ちてしまいます。
必須項目③第三者権利の保護
第三者の権利を侵害するような行為といえば、他者が著作権を持つコンテンツや商標の無断利用などが例に挙げられます。場合によっては法律違反となるおそれがあるので、ガイドラインへの記載によって意識を高めましょう。
もし対応において分からない点があった場合は、専門家に相談して的確な方法を取るようにしてください。
必須項目④誹謗中傷の禁止
競合他社の悪口などをはじめとした誹謗中傷を行うと、企業全体の評判が下がってしまいます。これは、SNS担当者の個人の意見として投稿した場合も同じです。
誹謗中傷を禁止した上で、よりガイドラインの質を高めるためにも、具体的にどのような内容の投稿が誹謗中傷に含まれるのか明確化しておきましょう。また、感情的な発言は控えて冷静な投稿を心掛けることを記載することもおすすめします。
必須項目⑤誠実性の確保
SNSを通じて、顧客に対して誠実であることを伝えられれば、長期的な友好関係をユーザーと維持できるでしょう。結果的に、企業そのもののファン化にも結び付きます。
具体的には、ユーザーからの質問に丁寧に回答したり、もしミスがあった場合は速やかに謝罪したりすることなどが例に挙げられるでしょう。
必須項目⑥不明瞭な情報発信の禁止
信憑性のない情報の拡散や、SNS外でのやり取りを誘導するような手法は控えるべきです。「~かもしれない」といったあいまいな表現を多用することも、ユーザーにとっては快く思われません。明確なデータを示しながら、ユーザーにとって信頼できる情報を提供できるような環境づくりをガイドライン作成から進めていきましょう。
必須項目⑦自社の情報発信に関するルール
キャンペーンやイベントなど、自社が保有する情報に関するガイドラインも求められます。他社にはまねできない要素だからこそ、この情報発信によって何を伝えたいのかはっきりさせておきましょう。なお、自社の情報に対する批判コメントが寄せられた時の対応フローも決めておくと安心です。
必須項目⑧個人の責任の明確化
SNS運用によってトラブルが発生した場合を見越して、SNS担当者の責任がどの程度まで及ぶのか取り決めておくことも大事です。社員個人の意見と企業全体の意見に関する認識も規定しておくと、もしもの場合に役立つでしょう。
こういった内容を明記しておくことで、社員1人ひとりが自分に課せられた責任を意識するため、適切なSNS運用につながります。
必須項目⑨悪質なソフトウェアやツールの制限
ユーザーに害を与えるソフトウェアだけでなく、自動フォローツールや投稿のオートメーションツールなどにも、リスクが伴うことを忘れてはいけません。ユーザーによっては悪い印象を持つため、このようなサービスの利用を制限する旨を記載しておくと企業の信頼度が高まるでしょう。
必須項目⑩SNSの特性への理解について
効果的なSNS運用を目指すためにも、各SNSの特性を理解した運用方法を取り入れることが重要です。下記のような内容を意識したガイドラインを策定することで、ユーザーの心をとらえたSNS運用が可能になります。
- X(旧Twitter)・Instagram:リアルタイム性の高さ
- Facebook:コミュニティ形成のしやすさ
- TikTok:エンタメ性の強さ
また、発信した情報を簡単には消せないといった内容も理解が必要です。
ガイドライン策定は健全なSNS運用のカギ
SNS運用ガイドラインを実際に制定すると、ユーザーから高く支持される企業に近づけるでしょう。とはいっても、SNS運用準備のために多くのリソースを割けない企業もいるかと思います。
そういった場合は、マーケティングの専門家にガイドライン作成をアウトソースする方法はいかがでしょうか。長年培ったプロのスキルで、未来の成功につながるSNS運用ガイドラインの作成をサポートいたします。
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