SNSは、今や企業にとって欠かせないWebマーケティングのツールとなっています。しかし、自社の認知度向上や顧客とのコミュニケーションに役立つ一方で、運用を誤れば炎上のリスクがあるのも事実です。
企業が効果的にSNS運用をするためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか?
本記事では、企業がSNS運用をする上でのコツや注意点について詳しく解説します。これからSNS運用を始める企業や、すでに運用しているものの思うような成果が出ていない企業の経営者、マーケティング担当の方は、ぜひ参考にご覧ください。
目次
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企業がSNS運用をする重要性とは?
まずは、近年企業によるSNS運用がWebマーケティング施策の一環として重視されるようになってきた理由について、確認していきましょう。
総務省が行った「令和4年度通信利用動向調査」によると、SNSを利用する個人の割合は全体で80%にのぼるという結果が出ました。世代別に見ると、特に10代〜30代では90%以上と非常に高い利用率となっている他、40代~50代で80%以上、60代で73.4%、70代も63.9%となっており、ほぼ全世代において過半数の人が何らかのSNSを利用していること、またその割合が年々増加傾向にあることが報告されています。
この事実から、SNSが若者など特定の年齢・性別の方だけでなく、非常に幅広い年齢層や属性の方に利用されるプラットフォームになっていることがわかりますね。
老若男女を問わず幅広い方が利用しているプラットフォームであるということは、自社の顧客となる世代や性別の方にも、製品やサービスの情報を届けやすい媒体であるということです。
またSNSには、ハッシュタグを使った情報の検索機能や、リポストなどと呼ばれる拡散機能もあるため、うまく活用できれば顧客理解や自社の宣伝、認知度向上、ブランディング強化などの効果も期待できるでしょう。
利用者の増加に伴い、SNSは企業にとって非常に魅力的なWebマーケティングツールの一つとなりました。このような背景から、公式アカウントを開設してのSNS運用は、企業にとってコストをかけてでも取り組むべき重要な施策・課題となったのです。
企業も利用する主なSNSの一覧
ひと口にSNSと言ってもさまざまな種類があり、それぞれに特色があります。企業としてSNS運用を行うなら、各媒体の特性やユーザー層を理解し、適切に選択できなければなりません。
そこで以下に、企業がSNS運用をする際に選択肢となる代表的な5つのSNSの特徴について、一覧にまとめました。SNS運用、また各媒体を理解する上での参考として、ご確認ください。
主に画像や動画を投稿するSNSで、利用者は10〜20代の若年層がメインです。
ビジュアルに訴求するタイプのSNSであるため、自社の商品やサービスの魅力を視覚的に伝えるのに効果的。企業によるSNS運用の具体例としては、飲食店がランチやおすすめメニューの写真を投稿する、ファッションブランドがコーディネートを紹介するなどが挙げられます。
X(旧Twitter)
短いテキストと画像を投稿できるSNSで、幅広い年齢のユーザーに利用されています。匿名性が高いこと、またリアルタイムな情報発信や交流に適しているところが特徴です。
キャンペーンやイベントの開催時には独自のハッシュタグを作成して拡散を狙ったり、他の企業等との相互フォローやコラボを通して、新規フォロワー獲得を狙う際などに活用されます。
また顧客、顧客になり得るフォロワー、ユーザーの投稿に対し、いいねやコメントなどで素早く反応できれば、交流につながるでしょう。
基本的に実名登録する必要があるため、ビジネス利用が多いとされるSNSです。30代以上を中心に、幅広い年齢のユーザーが使用しています。
匿名性がないためX等と比べるとフォーマルなSNSと認識されやすく、シェアによる拡散力は低いと考えられています。ただその分、ユーザー同士の距離が近づきやすいとも言われており、コミュニケーションを取ることやキャンペーン、懸賞企画の実施には向いているでしょう。
TikTok
ショートなどと呼ばれる短い動画を簡単に編集・投稿できるSNSです。利用者は10〜20代の若年層がメインであり、動画の質次第では、フォロワー数が少なくても投稿の表示が狙えます。
具体的には、自社のターゲット層の興味関心に沿っていて、かつインパクトの強い動画を作ることができれば拡散を狙えるとされるため、自社を認知してもらうための機会の創出に役立つでしょう。
その他、真似したくなるようなチャレンジ企画や、人気のインフルエンサー・クリエイターとのコラボ動画等を投稿する使い方も可能でしょう。
YouTube
世界最大規模の動画投稿サイトであり、長尺からショートまで、さまざまな分野・内容の動画を視聴できること、またユーザーの年齢層や国籍が幅広いところが特徴です。
企業による活用法としては、自社商品やサービスの魅力を伝えるPR動画をはじめ、商品の使い方、サービスの利用シーン、業界知識や導入事例等を紹介する動画や、他社とのコラボ動画を定期的に制作・公開するなどが挙げられるでしょう。
企業がSNS運用をすることのメリット
冒頭でも触れたように、企業がSNS運用をすることには利点もあれば、リスクもあります。
そこでここからは、企業がSNS運用をすることのメリット・デメリットをそれぞれ紹介していきます。まずSNS運用をすることのメリットとしては、以下の3つが挙げられるでしょう。
基本的に初期費用なしで始められる
前述した代表的な各種SNSアカウントの作成は、原則無料です。動画投稿サイトにおいても、自社で動画を制作・投稿するなら特に費用はかからないため、初期費用なしで始められます。
つまり、企業は自社の人材を活用してSNS運用を始められるのです。ただし「無料だから簡単に始めて高い効果を得られる」と考えるのは危険です。効果的なSNS運用には、戦略的な思考と継続的な努力が欠かせません。投稿内容の企画、画像や動画の作成、フォロワーとのコミュニケーションなど、運用して効果を実感するまでには一定の時間と労力が必要となります。
自社と製品、サービスの認知度拡大に役立つ
自社の製品やサービス、また会社そのものの魅力等を発信した際に、ハッシュタグやユーザーによるリポスト、シェアなどを通して情報の拡散を狙えるのは、SNS運用の大きな強みです。
そのため、自社の顧客層・ターゲット層が魅力や共感を感じる投稿をすることさえできれば、会社や自社の製品、サービスの知名度やイメージの向上、ブランディングに役立ちます。
顧客と双方向のコミュニケーションが取れる
SNSでは、企業と顧客間において双方向のコミュニケーションが可能です。自社の投稿に対してユーザーから寄せられたコメントやリプライ、DM(ダイレクトメッセージ)に返信したり、いいね等の反応を返すようにすれば、顧客と交流できるだけでなく、企業への信頼感やイメージアップにもつながります。
また、SNS上に直接寄せられる顧客の生の声は、自社の製品・サービスの改善や新商品の開発において、貴重な情報源となるでしょう。
ただし、対応を誤ると炎上に繋がるリスクもあるため、細心の注意が必要です。日頃から顧客とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築いておくことが重要だと言えるでしょう。
企業がSNS運用をすることのデメリット
対して、企業がSNS運用をする際に注意すべきデメリットとしては、以下の2点が挙げられるでしょう。
炎上して企業イメージが損なわれる可能性がある
SNS運用を行う上で、企業は炎上のリスクに十分注意しなければなりません。不適切な投稿やユーザーへの対応によって、ブランドイメージが大きく損なわれる可能性があるのです。
SNSは便利なツールである一方で、適切な運用なくしてはかえって企業の評判を傷つけかねません。十分な準備と注意深い運用で、有効活用する必要があると理解しておきましょう。
費用はかからないが、時間や人的コストがかかる
アカウントの開設や投稿に費用がかからないところがSNS運用の魅力の一つですが、運用にはある程度の時間と人的コストがかかります。投稿内容の企画、制作、確認作業、投稿、投稿後のモニタリングなど、SNS運用のための一連の業務には、想像以上の工数が必要なのです。
そのため、企業がSNS運用を行う際には専任の担当者を置くことが望ましいとされますが、実際には他の業務と兼務しているというケースも珍しくありません。
企業がSNS運用を成功させるためのコツ10選
ここからは、企業がSNS運用を成功させるために意識しておくべき10のコツについて紹介していきます。企業のSNS担当者、マーケティング担当者の方は、ぜひ参考にご覧ください。
SNS運用のコツ①必ず複数人のチームで運用する
SNS運用を成功させるためのコツの1つ目は、必ず複数人のチームで運用することです。1人ですべてのSNSを管理するのは大変な労力がかかりますし、休暇や、病気やケガ等による急な欠勤、退職の際などに対応できなくなるリスクもあります。
また複数人で役割分担すれば、お互いの投稿内容をチェックし合うことでミスや不適切な投稿を防いだり、多様な視点からアイデアを出し合うことで、より魅力的なコンテンツを生み出すこともできるでしょう。SNS運用は継続が大切なので、チームで協力して取り組むことが成功への近道と言えます。
SNS運用のコツ②自社と相性の良いSNSを選ぶ
企業としてSNS運用を始めるなら、自社や自社の製品・サービスにマッチしたSNSを選ぶ必要があります。自社のターゲット層がどのSNSを利用しているのか、どのようなコンテンツに興味を持つのかを調査し、最適なSNSを選定することもSNS運用成功のコツと言えるでしょう。
SNS運用のコツ③投稿は、ニーズと共感を意識して簡潔に
ユーザーに自社の投稿を拡散してもらうには、ユーザーのニーズを踏まえた「共感を得られるコンテンツ」の投稿が有効です。例えば、商品の使い方や活用シーンを紹介するだけでなく、ユーザーの悩みや課題を解決する裏技、ヒント等を提供するような投稿が効果的でしょう。
また、文章は簡潔にまとめ、読みやすさを心がけることが大切です。伝えたいことを端的に表現するとともに、画像や動画を添えた視覚的にも訴求力のある投稿を心がけて、ユーザーの関心や共感が得られるコンテンツを継続的に発信するようにしましょう。
SNS運用のコツ④コンテンツの枯渇には要注意
企業アカウントによるSNS投稿は、最低でも週1回を目安にこまめに行う必要があるとされています。そのため企業のSNS運用を続けていると、投稿するコンテンツのネタ切れに悩まされることが出てくるかもしれません。
SNS運用では、定期的に新鮮で魅力的なコンテンツを提供し続けることが、フォロワーとの関係性を維持し、エンゲージメントを高めるために不可欠な要素となります。ネタ切れを防ぐためには、自社の記念日やイベントをはじめ、ユーザーからの投稿や反応、質問などをヒントにしながら、年間の投稿計画を立てることが有効でしょう。
また、検索者の目線に立ってSNSに投稿する内容を考えてみるのもおすすめです。
SNS運用のコツ⑤ハッシュタグは顧客目線で考える
ハッシュタグは、SNS上で情報を整理し、ユーザーが興味のあるコンテンツを見つけやすくするために重要な役割を果たします。例えば、自社の商品名やサービス名だけでなく、顧客が検索しそうなキーワードを想像して使うようにすれば、潜在顧客にもリーチしやすくなります。
また、業界のトレンドやイベントに関連したハッシュタグを活用するのも効果的でしょう。
SNS運用のコツ⑥炎上時の対応はあらかじめ決めておく
企業がSNS運用をする上で避けては通れないのが、炎上のリスクです。不適切な投稿や対応によって企業イメージが損なわれるのを防ぐには、 あらかじめ炎上時の対応を決めておかなければなりません。
具体的には、炎上の原因となった投稿の削除や謝罪文を掲載するなどの初動対応をマニュアル化しておくことで、混乱を最小限に抑えることができるでしょう。 また、日頃からユーザーとの丁寧なコミュニケーションを心がけ、信頼関係を築いておくことも、炎上による被害を抑えるコツです。
SNS運用を続ける限り、炎上を完全に防ぐことはできませんが、適切な対応ができるように普段から備えておくことで、ダメージを最小限に留めることができると覚えておきましょう。
SNS運用のコツ⑦最低でも1日1回は「エゴサーチ」する
企業のSNS運用で見落としがちなのが、自社や自社の製品・サービスに関する投稿ややり取りをモニタリングすること、いわゆる「エゴサーチ」です。 少なくとも1日1回は、自社の商品名やサービス名、ブランド名などで検索してユーザーの反応を確認するとともに、こちらからもいいねやコメント等のアクションを返しましょう。
ポジティブな口コミはもちろん、ネガティブな意見にも耳を傾けることが大切です。 また、エゴサーチを通じて得られた情報を分析し、SNS運用の改善に活かしていくことが、ユーザーとの良好な関係構築につながります。
SNS運用のコツ⑧ツールによる分析と記録、改善を続ける
投稿のリーチ数やエンゲージメント率、フォロワーの属性などの情報は、各SNSが無料で提供しているアナリティクス機能を使えば、詳細に分析することができます。どの投稿が、どのような層からどの程度の反響を獲得しているのかを定期的に分析して、効果的な投稿内容の推測やターゲット設定、また投稿予定のコンテンツの見直し・改善を継続的に行うことも、企業としてSNS運用をしていく上での成功のコツだと心得ましょう。
なお、各SNSが提供する解析ツールのデータは、一定期間経過すると削除されたり、閲覧できなくなる場合があります。長期的にデータを蓄積・分析し、月単位や年単位で比較できるように、SNS運用に関するデータはダウンロードして手元にまとめておくようにしてください。
SNS運用のコツ⑨キャンペーンやイベントも実施する
フォロワーとのエンゲージメントを高め、新規顧客の獲得につなげるには、ユーザーが参加したくなるようなキャンペーンやイベントを定期的に開催するのも効果的です。具体的には、製品のプレゼント企画や、ハッシュタグを使ったフォトコンテストなどが考えられるでしょう。
また、リアルイベントとSNSを連動させるのもおすすめです。SNS上でイベントの様子を生中継したりすれば、会場に来られなかったユーザーも巻き込んで盛り上げることができます。キャンペーンやイベントを通じてユーザーとの一体感を創出し、ブランドへの愛着を深めてもらいましょう。
SNS運用のコツ⑩他企業とも積極的に交流・コラボする
SNS上で競合他社や関連業界企業のアカウントとつながることができれば、情報交換や相互プロモーションの機会が生まれます。 例えば、製品の親和性が高い企業とのコラボ商品の開発やキャンペーンの共同開催、SNS上でお互いのSNSを紹介するなどが考えられるでしょう。
異業種との意外な組み合わせが、ユーザーの興味を引き付けることもあります。SNS運用を続ける中で、もし、自社の企業イメージに合う会社と交流の機会が生まれた時には、コラボレーションを通して新たなユーザーの開拓を目指してみても良いかもしれません。
企業内でのSNS運用が難しい場合は?
初期費用が必要なく、比較的手軽に始められるSNS運用ですが、適切な内容と更新頻度で運用していくには一定の工数がかかります。そのため、自社の人員だけで投稿のクオリティを維持するのが難しかったり、こまめに投稿しているものの思うような反響がなく、今後の運用について悩んでいるという企業のマーケティング担当・SNS担当の方もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、SNS運用を含むWebマーケティングのノウハウを持った外部事業者に運用を委託するのも一つの方法です。もし、企業としてのSNS運用についてお悩みなら、Webマーケティングの課題解決をお手伝いするマーケティングユニットまで、お気軽にご相談ください。
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