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株式会社 水野染工場
株式会社水野染工場は明治40年に創業され、100年以上の歴史をもつ印染(しるしぞめ)の老舗です。暖簾(のれん)、半纏(はんてん)、法被(はっぴ)、大漁旗などの印染商品を中心に、図案から染色、縫製までを一貫して制作しています。
北海道旭川市に所在する同社は、様々な伝統技法を継承しながら東京へ進出を果たすなど伝統産業の企業として革新的な挑戦を続けられています。
今回は同社の代表取締役 水野 弘敏様(4代目)と2007年に入社後、社内のIT改革に取り組み現在は社外取締役となった青木 寛幸様の2名にお話しをお伺いしました。
目次
ー 伝統産業とWebマーケティング。相反するようにも思えますが、御社がWebマーケティングに着手されたきっかけはなんだったのでしょうか?
青木様:
弊社は北海道の旭川市にある印染の会社です。かつては、道北(旭川から北のエリア)にある神社や仏閣などが主なお客様でした。
かなり昔に遡るのですが、インターネットが出始めの頃は「電話帳がなくなる」ということが地方の伝統産業にとっては大きな打撃で……。ただでさえ冬は仕事がなくなりがちな北海道で、時代の変化による危機感を代表の水野は強く感じていたようです。
水野様:
伝統産業が衰退していく中で、それを守ろうとするには一歩踏み出すしかありません。伝統を守るために、お客様のニーズの変化に対応することが必要だと考えているんです。時代が動いているから、それに合わせて動こうとしているだけ。
時代の変化の中でも会社をより大きくできるよう、まずは社内でサイト構築やWebマーケティングを始めるようになりました。
ー 伝統という過去を守ることに固執しがちな企業も多い中で、御社は非常に挑戦的ですね。弊社へご依頼されたきっかけは何だったのでしょうか?
青木様:
自社のWebマーケティングでは、次第に壁を感じるようになったことがきっかけですね。
弊社が本格的なWebマーケティングに取り組み始めたのは2007年。藍染業界の中では非常に早いタイミングでした。そのため当時は競合他社も少なく、会社の魅力を発信すればすぐに検索上位に表示され、そのまま売上につながるような時代でした。
しかし次第にライバルも増え、より大きな土俵で検索上位に表示させようとすると社内の知識だけでは難しくなっていったんです。
ー ライバルが少なかったブルーオーシャンが、時代の流れとともにレッドオーシャンになっていったのですね。
青木様:
はい。また売上につながるサイト改善のために必要だった、レスポンシブデザインの存在も大きいですね。CSSを色々覚えたりとか、レスポンシブデザインの知識を僕の中に入れるのにとても苦労しました。
売上につながるようにサイト改善していく中で、外部企業に依頼する流れは必然だったように思います。
当時気になっていたマーケティングオートメーション(SATORI)に加え、Webマーケティングの相談にも乗ってもらえるということで、マーケティングユニットとのお付き合いが始まりました。
ー マーケティングユニット(以下MU)にWebマーケティングをお任せいただく中で、これまでの課題は解決されていったのでしょうか?
青木様:
社内でWebマーケティングを行っていた時期は、「ブラックボックス」になっているとよく水野に言われました。
誰かに相談したくても、代表以外のスタッフは相談内容がわからない世界になっていたんです。わかる人間だけでやっているから、そのうち社内からも意見がもらえなくなったり、社内では自分が一番知識があるなかで私にも変なプライドが生まれてしまったり。
MUという専門性の高い第三者を交えることで、僕の匙加減だけで「できないと思う」と社内の意見を見送ることがなくなったのが、かなりストレス軽減になりました。
水野様:
実現したい理想像を描いた時に、まずは社内の知識の中で展開図を考えるのですが、MUを交えることでその展開図の幅が広がります。
変化のスピードが早いインターネットの分野では、社内の知識だけで追いつくのは難しい。新しい情報を外部の専門家から仕入れることで、結果として弊社の可能性が広がりましたね。
ー 日々の業務の中で、Webマーケティングを外部に依頼する効果を実感されることはありますか?
青木様:
コスト削減の効果は大きいです。
例えばサイト構築のコーディング。これまではやり方を調べながら1日かかっていた作業が、MUに依頼して30分で終わったものもあります。さらにMUの場合は丁寧に「ここをどう直した」と教えてくれるので、次回は自分でできるようになっている。
「仕事と作業」と言いますが、作業する人材には作業に特化してもらいどんどん更新してもらう。僕が手を動かさなくてもMUが作業を進めてくれるので、浮いた時間をその分違う業務に充てられます。
総合的に考えると、MUと組んだことで社員1名くらいのコストが削減できた感覚はありますね。
ー なるほど。浮いた時間でどんなことができるようになったのでしょうか?
青木様:
私の場合、MUに依頼を始めてから毎日2時間は他のことに使えるようになりました。浮いた時間で、新商品の企画を考えたりお客様のニーズを掘り起こすなど、より戦略的なことを考えられるようになりました。
ー 日々の作業を外注することで、より高次の戦略的な業務に時間を使えるようになったということですね。長期的な会社の成長にもメリットがありますね。
青木様:
そうですね。これまでは僕の知識のなかで「できるできない」を判断せざるを得なかった。それを相談できる場所ができたことによって、「少し相談してみよう」「相談してだめだったら割り切れる」に変わりました。そこで悩む時間も1〜2時間削減できますよね。やはり社内に「できない」と言う前に、調べたり検討しますので。それはすごいありがたいなぁと。
ー 専門的な相談者がいることで可能性が拡大した、というイメージですね。
ー 御社では SNS活用も積極的に行われていますね。
初めは「写真1枚と1〜2行の文章を投稿すればいい」と軽く構えていたのですが、実際に社内で運用するとお客様対応や投稿の企画など大変な労力がかかることがわかりました。
そこでSNS専任のスタッフを探しましたが、更新する技術はあっても戦略的な計画まで考えられる人材はなかなかいなかった。
MUなら戦略的な部分も相談できますし、戦略をこちらで固めておけば社内スタッフは更新やお客様対応に集中できます。
SNS運用を始めて、これまで染め物商品に興味がなかった人もお客様になっている感覚はありますね。
これまでは神社仏閣のお祭りなど「ハレ」の日に使われる商品が主力でしたが、会社の成長のためには「ケ(日常)」のお客様を取り込むことも必要だと考えました。こうしたお客様に向けた情報発信ツールとしてSNSは非常に大事ですし、発信を続けるうちに今までと違う客層も開拓できていると感じます。
ー マーケティングユニットは御社にとってどんな存在になっていますか?
青木様:
インターネット戦略におけるパートナー、良き相談者という存在です。また専門性という意味では、時には指南役にもなっています。
コラム運用、サイト構築から日々のSNS運用まで、刻々と変化する弊社のニーズに合わせて幅広く対応いただけていると思います。
困った時に改善や解説をいただけることにより、判断・行動する際の時間短縮やコスト削減にもつながっていますね。
ー 伝統のある企業がWebマーケティングに参入し、さらに外部に委託するメリットは何でしょうか?
水野様:
インターネットで情報発信がされる時代に入り、ものづくりができる技術力のある会社よりも、営業力が強い会社の方がお客様に近くなっていると感じることが増えました。
僕も含め、製造業の職人たちは技術には自信があっても話すのは苦手。現代ではせっかくの技術力が反映されていないように感じることもあります。
しかしMUと組むことで、私たちの技術や想いを現代のお客様のニーズに響く言葉に変換して、効果的に届けてもらえるようになりました。
長年の経験から「伝統産業は自分で新陳代謝ができない」と痛感しています。伝統産業は外部からの刺激によって新陳代謝ができるので、こうした意味でもMUの存在は大変役に立ったと思います。
数多くの同業他社が残念ながら廃業していく中で、おかげさまで弊社は伝統産業としては珍しく事業拡大も続けられています。東京への進出など、日々新たな挑戦をしながら前向きな経営ができているのも、Webマーケティングに注力したおかげですね。
ー 時代の変化、つまりお客様の変化をいち早く受け止めてWebマーケティングと共に成長を続けている水野染工場様。お忙しい中、インタビューへのご協力ありがとうございました!
課題
対策
マーケティングユニットでは、お客様の目的に応じて短期〜中長期にわたる施策のご提案を行い、包括的なWebマーケティング支援を提供しています。
弊社に関するお問い合わせや資料請求など、下記よりお気軽にご連絡ください。