近年のインターネットの急速な普及や新型コロナウイルスの流行などで、営業担当者の働き方は大きく変化しています。
BtoB営業も同様に、商談はオンライン化し、営業を進める中でデジタルツールを利用する機会が増えるなど、これまでにない変化に対応する力が求められています。
営業職は、ノルマがあったり営業先とのやりとりでストレスを感じたりと「きつい」職種に分類されることもあります。そこにさらに、デジタル化に対応した営業のための知識を増やすとなると、負担はますます増大していきます。
しかし、デジタル化やコロナ禍などで変化を求められている時こそが、実はBtoB営業の業務方法を改善するには絶好のタイミングなのです。
今回は、BtoBの営業がきついと感じている方や企業へ、その改善策をご紹介します。
目次
BtoB営業はきつい?
BtoB営業はBtoCとは異なり、個人に対してではなく対組織の法人営業です。
営業職はノルマが達成できなかったり成果に繋がりにくかったりと、「きつい」に分類される職種かもしれません。更にそれがBtoBとなると、また違った辛さが出てくるものです。
あまりのきつさに、中にはBtoBからBtoC営業に転職したり、営業職そのものから離れたりする人も多くいるほどです。そのような結果になっては、個人としては積み上げてきた実績を失うことになりますし、組織としては育ててきた人材を失うことになります。
損失を抑えるためには、BtoB営業のきつい面を理解し、それを改善するための正しい対処法を取る必要があります。
BtoB営業がきつい4つの理由
BtoBの営業がきついとされるのは、個人間では比較的乗り越えやすい壁が、対組織では大きく立ちはだかるケースが多いからです。
では、具体的にどのような理由でBtoB営業はきついとされるのかご説明します。
商談相手と決裁者が異なる
BtoB営業では、商談相手が決裁者ではないケースが思いのほか多いことです。目の前のお客さまに共感が得られても、上司の承認が得られなかったということは意外と多いシチュエーションです。
仮に成約しても販売条件に齟齬が生まれたり、契約段階で法務からツッコミが入ったりとなかなかスムーズに進まないものです。
コスト感の違い
コスト感の違いが非常に大きいことも難しさの一つです。例えばWEBサイト構築を一つ取ってみても、数千万円から数万円まであまりにも大きな差異が生まれます。
プロジェクトが大きくなると関係者も増え、管理工数やコミュニケーションの量も段違いに増加します。反対に小さなプロジェクトでは一人で何役もこなさなければなりません。
肩書きをみられる
肩書きのレバレッジが効くことも特徴です。企業ブランドや経歴、役職、企業規模、取引先情報などが、営業パーソンの存在を超えて評価の軸になることも多くあります。
自分にその肩書きがあれば良いのですが、それがない営業パーソンは、自分自身の価値を自力で高めなければなりません。
売る商品を自分で選べない
最も大きい課題は、営業が売る商品を自分で選べないことです。
「戦略のミスは戦術では取り返せない」と言いますが、マーケットで魅力を失っている商品を営業力だけで継続的に販売することは至難の業です。
そこで営業パーソンはその他の価値を付加して商品の魅力を高める活動が求められます。
きついばかりではない!BtoB営業のやりやすい面
BtoB営業はきつい面ばかりではなく、意外とやりやすい側面も持っているものです。
横の繋がりが活かせる
業種業態や業界、コミュニティ、企業規模などターゲットが絞りやすく、横の繋がりで顧客を開拓することができます。
同じ属性の人は同じ悩みを持つものです。そうして、どこかに絞り込むことでより顧客の問題が見えやすくなり、その解決も効率よく行うことができます。
社内での協力が得やすい
BtoB営業は組織対組織なので、同僚や上司の協力を得やすいこともポイントです。
新人や中途入社の人でもチームの中にいることで、何らかの役割を担うことができ、スキルを磨いていくことができます。
組織の中の一人として自分も力になれているという自信が、BtoB営業では自然とついていくと言えるでしょう。
業界のフラッグシップ企業を落とす
その業界のトップランナーが採用すれば、後続の会社はそれを追いかける傾向があり、その後の営業活動が格段にやりやすくなります。
オンラインBtoB営業では新たなきつい面も
ここまで、BtoB営業のきつい面と楽な面をお伝えしましたが、オンラインBtoB営業では新たなきつい面が発生してきます。
コロナ禍では、オンラインでのBtoB営業が必要となる場面が多くなった業種も数多くあります。また緊急事態宣言などの間にテレワークやWEB会議が浸透したことで、その後の訪問や面談のアポイントが取りづらくなったという話もよく耳にします。
こうなると、顧客の目の前で資料を提示し、口頭でプレゼンをすることに強みを持っていた営業パーソンはきつい思いをすることになります。
ここで必要になってくるのが、デジタルコンテンツに対する意識改革です。
BtoB営業のきつい点はオンライン化が解決の鍵
対面での営業を得意としていた営業パーソンの多くが、オンラインBtoB営業に抵抗があるかもしれません。
しかし、デジタルコンテンツへの意識改革をし、それらをうまく取り入れることはBtoB営業のきつい点を解決してくれる鍵となるのです。
魅力的なコンテンツづくり
オンラインでのBtoB営業では、営業チームは特にコンテンツを磨かなければなりません。分かりやすい資料の迅速な送付、動画を使った説明、スムーズなWEB会議の進行など、デジタル接点を強化する対策を練る必要があります。
この力は、オンラインBtoB営業に限らず通常のBtoB営業でも必要であり、社内の営業パーソンのスキルアップは、チーム全体の力を上げることに繋がります。
データや数値で意思決定する
またセールスファネル(潜在顧客から見込み客、顧客へと絞り込まれていくステップ)の見える化や、マーケティングオートメーション(マーケティング活動の自動化を実現するツール )などによって顧客行動を可視化するなど、データや数値によって判断や意思決定をするデータドリブンの発想も重要です。
近年のデジタルネイティブな企業はデータが取れる売り方しかしないと言われています。お客さまの行動を見える化できる企業とできない企業では営業効率に大きな差が出てくるでしょう。
相手企業の情報をデータベース化
法人営業において集めるべき情報があると言われています。それがBANTです。
BANTとは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」の頭文字からきたフレームワークです。
Budget:購入予算はいくらか?
Authority:決裁権限を持つ人は誰か?
Needs:顧客ニーズの真のお困りごとは?
Timeframe:導入時期はいつか?
オンラインでの営業では自社のサービスを購入する可能性があるか?それはいつなのか?誰を攻めるべきか?などの情報をデータベース化し、効率と効果を高める戦術を取ります。
営業チームでこれらの情報を共有することで、これまで落とせなかった顧客を攻略することができるかもしれません。
例えば、新人が担当する顧客の決裁権者が社長だと把握できた場合、商談の場所に社長を出席させるためには、それ相応の肩書きを持った上司が働きかける方が効果的でしょう。
BtoB営業がきついならセールスからマーケティングへ移行
デジタル化に取り組んでもなおBtoB営業がきついシーンは多くあるでしょう。ここで重要なのが、「セールスからマーケティングに移行すること」です。
「マネジメントの父」と言われた社会生態学者のピーター・F・ドラッカーは、マーケティングを「セールスを無くすること」と定義しました。つまり売り込みではなく、顧客自らが商品を欲する状態を作り出すことといえます。
マーケティングの中でのセールスの役割は顧客に伴走しながら適切な情報を渡し、その顧客が最も良い選択ができるようそっと背中を押すことです。
人を入れる前に仕組みを作る
従来のセールス人材を中心としたBtoB営業のやり方では、立ち行かなくなる場面が増えてくると予想されます。
そこで、これからのBtoB営業戦略で必要なことは「人を入れる前に仕組みを作ること」です。
例えばマーケティングユニットでは、BtoB営業の始まりから終わりまで、決まった流れを構築し仕組み化することに成功しています。
- セミナーによる集客
- 資料ダウンロードによる見込み客のリスト化
- マーケティング自動ツールによるサイト訪問者の追客
- 見込み客の層によって、顧客になる可能性の高いホットリードを抽出
- セールスによる営業クロージング
このように、先にデジタルを中心としたフローを検討し、そのフローを動かすための人材を後からアサインしていきます。このフローで200%近い売上成長率を達成しています。
仕組みやツールを使うことで、無駄が省かれBtoB営業活動が底上げされます。オンラインでの営業活動でも成果を出していくには、仕組み化やノウハウ構築がさらに重要になってくるのです。
BtoB営業で勝つ戦略の立て方!デジタル時代に売れる仕組みづくりの方法
きついBtoB営業を乗り越えるスキルをつける
デジタルコンテンツへの苦手意識をなくし、これまで身についていた営業スタイルを変化させていくことは容易なことではありません。
しかし、時代の流れに取り残されないために、営業パーソン個人として、そして組織としても必要なスキルをつけてきついBtoBを乗り越えなければいけません。
個人としてのスキルアップのために
ITリテラシーは必須能力になるでしょう。
お客様を見つける、アプローチする、テックタッチでコミュニケーションを取る、WEB会議でプレゼンする、チャットツールでサポートするなどのアクションが得意か不得意かでセールスの価値が大きく変わる時代と言えます。
これまでの「足で稼ぐ」営業スタイルを否定するつもりはありません。しかし、これまでの営業スタイルにITリテラシーが身に付けば鬼に金棒です。
これからの時代に適した営業パーソンになるために、積極的にオンラインBtoB営業の情報を得るようにしていきましょう。
組織としてのスキルアップのために
これからは特に、営業の教育力が問われるでしょう。
営業パーソン同士が遠隔でコミュニケーションを取る際の一番のネックは、教育の機会が大きく減ることです。これまでの営業シーンでは、隣で電話している先輩のトークを知らず知らずのうちに学べたり、部下の電話応対を聞いてその場でアドバイスしたりといったことが日常の中で自然に行われていました。
オンラインになるとその機会が激減します。そこで商談風景の録画や動画マニュアルの整備など、これまでにない工夫が必要になってきます。
唯一無二の存在になればBtoB営業はきついと思わない
BtoB営業をきついと感じなくなるためには「戦わずして勝つこと」が大切です。
競合他社が存在しない場所でビジネスを展開するブルーオーシャン戦略が有名ですが、いくら商品サービスが卓越していても、営業力が強くても、競合がひしめくマーケットで勝ち抜くには相当な労力が必要です。
そこで、極力競合が存在しない領域を目指して展開することが重要になります。
- 他社にない特徴の商品サービス
- 他社が入り込めないマーケット
- 他社が嫌がってやらない仕事
- 他社が実現できないローコスト
- 他社が実現できない技術ノウハウ
- 他社が真似のできないスピード
完全なブルーオーシャンはなかなかありませんが、可能な限り唯一無二の存在になることを目指す必要があります。
そうすれば自ずと、BtoB営業がきついと感じることはなくなってくるでしょう。
BtoB営業のオンライン化に必須!マーケティングDXの発想について
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