昨今、多くの企業がオウンドメディアマーケティングを導入し、顧客との関係を構築しています。
コロナ禍によりユーザーの行動様式が変化した今、マーケティングの施策も柔軟に変化する必要があるため、オンライン上で企業アピールをして顧客から信頼を得ることが重要になっています。
そこで、オウンドメディアマーケティングを取り入れるとどのようなメリットやデメリットがあるのか、そして、オウンドメディアマーケティングが果たす意味について解説します。
目次
オウンドメディアマーケティングとは
オウンドメディアマーケティングとは、名前の通りオウンドメディアを活用して行うマーケティング手法のことです。
オウンドメディアとは企業が所有しているメディアのことですが、コーポレートサイトのような企業情報を掲載するものではなく、例えば、コラムやお役立ち情報などのコンテンツをメディアとして発信していくブランディングや集客を目的としたものになります。
広告による集客でなかなか成果が上げられなくなった近年では、多くの企業がオウンドメディアマーケティングを取り入れて見込み客を獲得し、自社の顧客を増やしています。
広告との違いで見るオウンドメディアマーケティングの例
オウンドメディアマーケティングで顧客を増やす仕組みを、「広告」と比較しながら簡単な例でご紹介しましょう。
例えば、アレルギーに悩む犬用のドッグフードを販売している企業があるとします。
この企業が、検索エンジンの検索結果上位に表示される「リスティング広告」や、Webサイトの広告枠に表示される「ディスプレイ広告」などに配信する場合、訴求ポイントは「アレルギーが症状が緩和する」とか「アレルギーが発症しにくい」という点になり、ドッグフードがどのような成分でできているかとか、無添加にこだわって作られている、という内容に絞って伝えることになるでしょう。
なぜなら、広告はコストがかかり、配信時間などに制約があるため、ユーザーに効率的にアピールする必要があるからです。自社のドッグフードを気に入ってもらえるよう、ターゲットを細かく絞り、設定したキーワードで検索したユーザーをピンポイントで獲得しようとするのが特徴です。
しかし競合のひしめく中、広告をクリックしてもらうのも難しく、また、クリックしてもらえたとしても、今のユーザーはさまざまなサイトを検索した上で能動的に情報を得て、比較検討後に購買行動を起こします。
一方、オウンドメディアマーケティングでは、このようなユーザーの能動的に情報を収集する力を良い意味で利用し、顧客にしていきます。
どういうことかというと、アレルギーに悩む犬と暮らしているユーザーのニーズを絞り込むのではなく、このユーザーが抱える悩みを広げて考え、それらを解決していくのです。
例えば、犬のアレルギーに悩んでいるということは、犬の毛艶を良くする方法も知りたいと考えているかもしれません。他にも、アレルギーを抑えるシャンプーに興味があるかもしれませんし、犬の健康全般について広く関心があるかもしれません。
ドッグフードを販売する企業として、犬に関するさまざまな情報を幅広く発信することで、「この会社の情報は参考になる」「信頼ができる企業だ」という印象をもってもらえるようになり、自社のファンになってもらえるのです。
オウンドメディアマーケティングはここが重要なポイントで、広告のように一方的に商品を宣伝するのではなく、自社の商品の範囲を越えて情報を提供していくことで潜在顧客の獲得を狙うことが本質であると言えます。
オウンドメディアマーケティングのメリット
オウンドメディアマーケティングを用いると、企業にとってどのようなメリットや効果があるのでしょうか。
資産になる
オウンドメディアは長期に渡って情報を発信していくため、運用していけばいくほどメディアにコンテンツがストックされていくことになります。そうすると、情報を知りたいユーザーのニーズを幅広く網羅するメディアが出来上がります。
そのようにオウンドメディアマーケティングを通して、ユーザーのためになるオリジナリティのある記事を作成していけば、広告費をかけなくても自然流入が見込め、企業にとっても価値のある資産を築いていくことになるのです。
見込み客がファン、顧客になる
豊富なコンテンツがあるオウンドメディアに、ある見込み客が訪問したとします。色々な情報に接することができ、自分が知りたかった情報はもちろん、それ以上の情報を得て満足した気持ちでメディアを離れるでしょう。
その見込み客が、再度情報を知りたくなったとき、検索候補の一つに、前回訪問したオウンドメディアが挙がることでしょう。そして、再度訪問した際にさらに情報が増えていれば、この見込み客はファンとなり、その関係が継続できれば顧客になってくれるのです。
つまり、更新頻度が高く、価値のあるコンテンツを提供し続けることができれば、見込み客は顧客となっていくのです。
オウンドメディアマーケティングは、企業のコントロール次第で、ユーザーとのつながりを強くしていけると言えます。
競合他社と差別化できる
他社との差別化というと、商品やサービスの特徴で差をつけるものだと考える人が多いかもしれません。しかし、差別化はそれだけではなく、ユーザーとのコミュニケーションでの差別化も、購買行動を促すか否かに関わる大きな要素だと言えます。
例えば、人は、ある商品が欲しくてA社のものにしようかB社のものにしようか迷うとき、その2つの物の価格と特徴に大して差がないとき、その物を売ってくれる「人」で選ぶことがあります。
オウンドメディアマーケティングはこれと同じで、オウンドメディアを通してユーザーと頻繁にコミュニケーションをとり、信頼を得ることに成功していたなら、競合他社と迷うことになった場面で自社を選んでくれることになるのです。
コンテンツが豊富で更新頻度が高く、ユーザーとの関係が構築できるオウンドメディアであれば、自ずと競合他社から一歩リードできるマーケティング施策となるでしょう。
オウンドメディアマーケティングのデメリット
逆に、オウンドメディアマーケティングを取り入れることでどのようなデメリットがあるのでしょうか。オウンドメディアマーケティングを導入する前に知っておきたい懸念点についてご紹介します。
成果がすぐにみえにくい
オウンドメディアを構築し、メディア内にコンテンツをためていくのは時間がかかることです。ある程度の記事数がなければコンテンツとして評価されにくいため、日々作業を進めていくことが重要になります。
最初のうちは検索で上位表示されないことが多いので、自然流入が見込めるようになるまである程度のスパンで考えておかなければなりません。
そのため、オウンドメディアマーケティングは成果の即効性を要求されると応えられないため、予め社内での理解を得ておく必要があります。
継続が難しい
ここまでお話したように、オウンドメディアマーケティングでは継続的な運用が必要不可欠です。それには、手間もコストもかかります。
また、目標を設定したものの、なかなか思うような成果が得られず、再度、目標設定を変更してしまうなど方向性に迷いが生じてしまいがちです。
実際に、自社での継続に限界を感じ、運用にあたっては、コンテンツ制作や効果測定などを外部に委託する企業も多く存在します。
間違った戦略では成果が出ない
オウンドメディアマーケティングでは、何より事前の設計が重要で、ペルソナの設定、キーワード選定、サイトの導線、コンテンツの企画などさまざまな戦略を立案しなければなりません。
このどれかが適切なものでなければ、そのオウンドメディアはユーザーにとって有益なものでなくなり、見込み客をファンにすることはできなくなってしまいます。
もし、社内に正しい方針でオウンドメディアマーケティングを進められる人材がいなければ、労力とコストをかけた割に成果のでないオウンドメディアを作り上げるだけになってしまうでしょう。
オウンドメディアマーケティングを始める方法
オウンドメディアマーケティングを始める方法は、自社で取り組むか、それとも外注するかの二択に大きく分けられます。
社内でチームを立ち上げる
自社で人員が確保できて体制を整えることができるのなら、社内でチームを立ち上げてオウンドメディアマーケティングを進めるのも一つの方法です。
お伝えしてきたように、オウンドメディアは高頻度で情報を更新することが大切です。そのため、長期的な視点では、WEBサイトの更新費や改修費などのランニングコストがかかると想定されますが、自社でオウンドメディアマーケティングを進められるのなら外注よりも費用をおさえることができます。
しかし、取りかかるべき作業を漏れなく洗い出す必要があります。
- ペルソナ・ターゲットの設定
- KPI・KGI設定
- メディア設計
- ドメイン、サーバー準備
- 記事作成
などと、オウンドメディアマーケティングを成功させるためにしなければならないことは非常に多くあります。
成果が出るまで、そしてその後も継続して運用できる体制かを見極めて進めていきましょう。
外注する
社内に人員が足りなかったり、適切な能力がある担当者を確保できなかったりする場合、新たにオウンドメディアマーケティングを担当する人材を採用しなければなりません。
しかし、そのコストや労力を考えると、専門家に任せてしまった方がコストパフォーマンスが良く、成果が出ることも多いです。
そのため、オウンドメディアマーケティングを外注する場合は、単にメディア設計にとどまらず、その後の運用まで一緒に伴走してくれる会社を選ぶと良いでしょう。
「WEBサイト構築の手順解説!基本的な作成の流れと制作会社の選び方」では、どのようなポイントで制作会社を選べば良いかを解説しています。オウンドメディアマーケティングにも共通する部分なのでぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアマーケティングの成功事例
ここからは、私たちマーケティングユニットが携わったオウンドメディアマーケティングの事例をご紹介します。
オウンドメディアの構築、導線改善、記事作成などを経て、クライアント様の抱える課題を解決しています。
年間213万PVを超えるメディアに育成
中京圏である鍼灸接骨院を経営されているハートメディカル様の事例です。
元々スタッフのブログ記事を多く発信していたものの、「膝 窩筋」「腓骨筋 腱炎」といった、鍼灸接骨院をすでに利用されている人しか知らないような専門用語での流入がメインとなっていました。
そこで、もっと「腰痛」や「膝の痛み」といった、一般の人が検索するようなワードで検索上位にする必要があると考え、検索数の多いキーワードでブログをリライトし検索上位に上げることで流入数を増やし新規顧客獲得につなげる施策を実行。
合計50記事のリライト、新規記事作成によって、年間213万PVを超えるメディアに育成することに成功しました。
コラムから月間50件を超える反響を獲得
北海道で染物工場を運営されている水野染工場様の事例です。
藍染というニッチな分野であるため、オウンドメディアのコラムを通して全体のアクセス数を増加させることが課題でした。
そこで、サイト流入が見込めるキーワードを設計し、50の新規記事を追加した結果、年間で25万PVを超えるようになりました。
さらに、コラムからの問い合わせなど、反響を月間50件獲得できるようになりました。
現在では、さらなるコンテンツの追加によってサイト内の回遊率も増し、多くのキーワードが1位や2位など上位にランクインしています。
今では、「藍染=水野染工場様」と認識されるようなオウンドメディアに育成しています。
わずか21記事で年間20万PV
総合物流会社を運営される関根エンタープライズ様の事例です。
自社サイトはお持ちで、事例紹介という形で情報は発信されていました。しかし、有効なキーワードで上位表示されておらず、サイトの役割を再確認する必要がありました。
そこで、事例紹介の記事を「物流コラム」に改修し、流入が見込めるキーワードで再構築する方針に決定しました。
その結果、わずか21記事を追加しただけでも、なんと年間20万PVを超えるメディアに育成することに成功。反響ゼロの状態からコラムだけで毎月10件、全体で50件超えの反響を獲得するまでになりました。
以上のように、抱える課題を見つけ出し、それを適切に解決する方針でオウンドメディアマーケティングを進めれば、確実に求める成果が出せるようになるのです。
オウンドメディアマーケティングで確実に成果を得たいなら
オウンドメディアマーケティングは、想定した以上の時間と労力がかかるため、導入することに躊躇いを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、近年はオンライン上の営業や顧客との関係構築がますます重要になってきています。ユーザーの変化に対応し、他社と差別化を図るためにもオウンドメディアマーケティングを取り入れていくべきでしょう。
オウンドメディアマーケティングは、企業の価値を高めることだと言っても過言ではありません。本気でオウンドメディアマーケティングを通じて自社の課題を解決したい、見込み客と関係を構築して信頼を得たいと考えるなら、一度、プロに相談してみてはいかがでしょうか?
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