インターネット上からの集客を狙うWeb集客には、SNSや動画サイト、SEO等さまざまな手法がありますが、戦略なくして成果を上げることはできません。
Web集客を成功させるには、自社の商材やジャンル、ビジネスモデルや集客目的に合わせた戦略的なアプローチが不可欠なのです。
そこで今回は、Web集客において戦略が重視される理由について、具体的な戦略立案の手順やWebを使って集客するメリットと一緒に紹介していきます。
目次
Web集客において戦略が重要視される理由
Web集客とは、インターネット上のさまざまな経路・媒体からユーザーを集めてくること。
さらに言えば、ネット上で集めてきたユーザーに商品の購入やカタログの請求、狙ったページへのアクセス等をしてもらい、自社の顧客にすることを目的としています。
つまり、Web集客が成功するまでには、ユーザーに以下4つのステップを踏んでもらう必要があるわけです。
- 認知:Web上の情報発信を通じ、ユーザーに自社の商品・サービスを認知してもらう
- 関心:ユーザーに自社の商品・サービスの詳細や魅力を知らせ、関心を持ってもらう
- 欲求:提供する商品やサービスに対し、ユーザーに欲しい・見たいと思ってもらう
- 行動:商品の購入やサービスへの申し込み、資料請求、ページアクセス等、ユーザーにこちらが狙った行動を起こしてもらう
どのような業態・商材であっても、上記のWeb集客における基本的な流れは共通しています。
しかし、自社の認知度を上げるために使うべき媒体や、狙った購買行動をしてもらうまでの流入経路は、ビジネスモデルや商材、客層により変わってくるでしょう。
だからこそ、やみくもに流行の手法やアプリでWeb集客を図るのではなく、自社の商材と客層に合わせた戦略を立てる必要があるのです。
Web集客成功のために戦略を立てるプロセス
Web集客における戦略の重要性がわかったところで、ここからは具体的な戦略立案の手順を見ていきましょう。
Web集客の戦略を立てる際は、まずは集客の目的を決定した上で、社内で情報と現状の整理をします。そしてその後、自社に適した集客経路やツールを選択し、実行に移すのが定石です。
Web集客の戦略立案の手順まとめ
- Web集客の目的を明確にする
- 戦略立案に必要な情報を揃える
- Web集客のターゲットを明確にする
- 自社に適したWeb集客の経路・ツールを選択する
- 立てた戦略に基づき、Web集客を実行する
以降では、Web集客の戦略を立てる際の5つの手順について、それぞれ解説していきます。
戦略立案の手順①Web集客の目的を明確にする
一般的にWeb集客をする目的としては、以下が挙げられるでしょう。
- 自社の業態や歴史、商材、サービスを紹介するサイトのアクセス数を増やしたい
- ブログやコラム等、継続的に情報発信を続けるページへの訪問者数を増やしたい
- 自社が配信する動画の再生回数、また動画配信サイトへの遷移数を増やしたい
- 自社で販売する商品の購入、サービスへの申し込み、資料請求、会員登録を増やす
Web集客を成功させるには、その目的に合った方法や媒体で自社の情報を届け、自社が目指す目的達成のための経路をわかりやすくユーザーに示す必要があります。
しかし、Web集客の目的が具体的でなければ、流入を狙うべきユーザーの属性も、情報発信を行うべき媒体や経路も見えてきません。
そのため、まずは自社にとって集客の目的が何かを確認し、はっきりさせる必要があります。
あなたがお金と時間をかけてまでWeb集客を行い、達成したいことは何でしょうか。
Web集客の成功、そしてそのための戦略立案の第一歩として、しっかりと自問自答してみてください。
Web集客の目的が複数ある場合は?
「サイトへのアクセス数を増やした上で、売り上げも伸ばしたい」等、複数の目的のためにWeb集客をするケースも多いでしょう。
しかし、同時に複数の目的を達成しようとすると戦略の軸がブレてしまい、Web集客がうまくいかない可能性があります。
そのため、Web集客で複数の目的を達成したい場合は、優先順位をつけて一つずつ達成していくのがおすすめです。
先ほどの例で言うと、まずはサイトのアクセス数アップに向けた施策を行なってから、その達成度に応じて売り上げ増のための戦略を立てると良いでしょう。
戦略立案の手順②Web集客に必要な情報を揃える
自社がWeb集客を行う目的が明確になったら、次は戦略立案に必要な数値やデータを集め、整理していきます。
Web集客のための戦略を立てるなら、最低でも以下5つの情報は揃えておきたいところです。
- 会社の経営理念や経営目的
- Web集客にかけられる費用の目安
- Web集客にかけられる時間の目安
- 自社サイト、メディアの現状
- 競合他社を分析したデータ
Web集客の戦略立案に上記のような情報が必要な理由や、具体的にどのような数値が必要なのかについては、以下で見ていきましょう。
会社の経営理念や経営目的
経営理念や経営目的、スローガン等は、その企業が存在・活動する目的であり、Web集客を行う上でも大きなテーマとなります。
インターネット上でユーザーに自社の強みや想いを届け、知ってもらうきっかけにもなり得るので、戦略立案のヒントの一つと考えましょう。
Web集客にかけられる費用の目安
世間には、Web集客のためのさまざまなツールや媒体が存在します。中には無料で使えるものもありますが、その多くが有料であり、使用には一定の費用が必要です。
そのため、Web集客のための戦略を立てるなら、自社がWeb集客に割くことができる予算の確認は欠かせません。
特に、即効性と費用対効果が高いとされる広告運用に関する以下の数値は、しっかりと確認・設定しておきましょう。
ROAS(Return On Advertising Spend)
自社が広告等に投じた費用に対し、どのくらいの効果が得られたかを示す数値です。
投資金額の回収率を事前に予測するためのデータであり、Web広告をはじめ、サイト制作や動画配信等への予算の検討・分析に役立ちます。
CPA(Cost Per Action)
CPAとは、顧客1人の獲得にかかった費用・経費のことであり、Web集客の戦略立案だけでなく施策実行後の費用対効果の分析にも役立つ数値です。
なお、特にWeb集客の戦略立案では自社が許容できるCPAの値、つまり顧客1人の獲得にかけられる費用目安である「許容CPA」を明確に設定する必要があります。
Web集客にかけられる時間の目安
Web集客のための施策には、お金だけでなく、ある程度の時間や人的コストも必要になります。
そのため、Web集客の戦略立案から施策の実行、そして振り返りと改善のためにどのくらい社内の時間的・人的リソースを割けるのかは、あらかじめ確認しておかねばなりません。
もし、Web集客に社内の人員を割けそうにない場合は、予算を追加してWebマーケティングを得意とする個人・企業へ委託することも検討しましょう。
自社サイト、メディアの現状
既に自社のサイト、またはオウンドメディアを保有している場合は、戦略に基づいたWeb集客施策の実行前後で数値を比較するために、現状を把握しておきましょう。
具体的には、サイトへの1日・1か月あたりの平均訪問者数とCV数(注1)は確認しておいてください。
(注1)CVとはコンバージョン(conversion)のことで、商品購入やサービスへの申し込み、ページアクセス等、ユーザーがサイト側の目的を達成した件数のことです。
競合他社を分析したデータ
Web集客を成功させるには、自社の現状だけでなく競合他社の動向分析も欠かせません。
似たような商品やサービスを扱っているにも関わらず、自社よりもWeb上の立ち位置が高い同業他社は、自社よりも顧客にとって魅力的だということです。
自社の強みを再確認し、顧客の満足度を向上する要素を理解するためにも、Web集客の戦略を立てる際には必ず競合他社の分析を行ってください。
戦略立案の手順③Web集客のターゲットを明確にする
Web集客を成功させるには、自社の商品・サービスを求めるユーザー層へ、ピンポイントで情報を届ける必要があります。
ここでは、自社にとってのターゲットユーザーを見極める方法として、マーケティング手法の一つである「ペルソナ設定」について紹介していきます。
Web集客の戦略立案に役立つペルソナ設定とは
ペルソナ設定とは、年齢や性別はもちろん、学歴や趣味、家族構成等に至るまで、自社の商品・サービスを使用するであろう典型的な顧客像を具体化し、詳細に設定することです。
商品開発やマーケティングの現場で広く用いられる手法で、顧客の理解やニーズの把握、そして企画や会社としての情報発信の方向性を確認するツールとして活用されています。
具体的には、過去の購買記録や既存顧客のリストを参考に自社のお客様の傾向を確認し、以下の項目を埋めていくと、自社にとってのペルソナが見えてきます。
BtoC商材の場合のペルソナの項目
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 職業
- 学歴
- 家族構成
- 趣味
- 年収
- 価値観、目標
- 情報収集の手段
BtoB商材の場合のペルソナの項目
- 企業の基本情報(業種、事業内容、所在地、資本金、売上高、従業員数 等)
- 企業としてのミッション、課題、経目標
- 社風
- 決算月 等
- 担当者の基本情報(性別、年齢、役職、業務内容、勤続年数 等)
- 決裁権の有無
- 解決したい業務上の課題、目標
- 情報収集の手段 等
ペルソナ設定を行なえば、自社の商材・サービスの情報を届けるべきユーザー層や、ターゲットユーザーに適したWeb集客のツールや媒体も、具体的に見えてくるでしょう。
戦略立案の手順④Web集客の経路・ツールを決定する
前項までに行なった目的の明確化、必要な情報の収集と整理、そしてペルソナ設定によるターゲットの明確化により、Web集客の戦略を考える準備が整いました。
ここからは、いよいよ戦略の肝となるWeb集客の媒体や経路、ツールの選択に移りましょう。
Web集客に役立つ媒体や手法、ツールには、代表的なものだけでも以下の5つが挙げられます。
- SEO
- Web広告
- SNS
- 他サイトからの流入
- 直接流入
それぞれのツールや流入経路の特徴、戦略に合わせた有効な使い方・選び方については、以下で紹介していきます。
SEO
Webの集客ツールの中でも、特に潜在顧客の自然流入の増加に役立つのが、SEO対策です。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」のこと。
インターネット上の検索結果は、GoogleやYahoo!等、大手検索エンジンの評価に基づいて表示される仕組みになっています。
これを利用し、検索エンジンから「ユーザーにとって役に立つ情報」だと評価されるコンテンツを作り、キーワード検索したユーザーに自社サイトへ流入してもらうという手法です。
Web集客においては長期的な戦略に向いた方法で、特に自社への関心や熱意の高い潜在顧客を獲得したい場合は、適した手法だと言えるでしょう。
Web広告
Web広告には検索結果として表示されるリスティング広告や、コンテンツの一部として表示されるネイティブ広告、リターゲティング広告等、いくつかの種類があります。
出稿にかかる費用も広告の種類によって変わりますが、1クリックごとに料金が発生する「クリック課金型」であれば、CPAを抑えやすいでしょう。
この集客手法の特徴は、短期間でも集客効果が出やすいという点です。
Web集客を短期決戦と捉え、とにかく早く集客を成功させたいという戦略の場合は、まずWeb広告の運用を検討してください。
SNS
共通の趣味や特技を持つ個人が集まり、情報交換や交流を行うSNSは、SEOや広告よりもビジネス色が薄く、共感性が重視されます。
そのため、商品の購入やサービスの申し込み獲得よりも、自然流入してきたユーザーとコミュニケーションを取り、信頼関係を築くためのツールとして活用するのがおすすめです。
なお、Web集客のツールとして企業アカウントを作る場合は、SNSとユーザー層の特徴を踏まえた上で、自社のターゲット層と相性の良い媒体を選んでくださいね。
他サイトからの流入
サイトを訪れるユーザーの中には、ニュースサイト等、自社と直接関わりのない第三者の紹介を受けて流入してくる人たちもいます。
このような他サイトからの流入は、SEOや広告、SNS等の施策を自社で行うよりも高い集客効果を得られることもありますが、第三者が関与するため、戦略的に獲得するのは困難です。
Web集客のツールとして戦略的に使うなら、まずは他の経路での露出と流入を増やし、その結果として他サイトからの流入を増やす方向で考えましょう。
直接流入
ユーザーがサイトURLを直接入力した場合や、個人ブラウザのブックマークからサイトに流入してくることを、直接流入と言います。
直接流入するユーザーは、既に自社サイトを知っていて、強い関心と好感を持つ人たちです。
顧客、または見込み顧客に当たるため、Web集客においては戦略的に流入数を上げていくべき経路と言えるでしょう。
なおWeb集客のツールとして活用するなら、長期的な戦略に組み込むのがおすすめ。
SEOや広告、SNS等で自社サイトの認知度を高めると同時に、既存顧客へのメルマガ配信等の施策も併用して、地道にURLの拡散に取り組みましょう。
戦略立案の手順⑤立てた戦略に基づき、Web集客を行う
ここまでの4つの手順が終われば、自社のターゲットユーザーがWeb上のどこにいるか、その人たちに情報を届けるにはどのツールや媒体を使うべきか、明確になったことでしょう。
あとは、立てた戦略に基づいて施策を実行し、定期的な効果測定と改善を継続して行います。
ただし、よほどの広告費をかけない限り、Web集客の成果は一朝一夕で実感できるものではありません。
実行した施策の効果をこまめに確認し、少しずつ改善して、集客と目的が達成できるように運用を最適化する必要があります。
1度広告を出したから、サイトを更新したからと言って、すぐに人が来て売り上げが増えるわけではないのです。
Web集客の成果が出るまでには、広告等を使った短期的戦略でも少なくとも1か月以上、SEO対策等を行う長期的戦略なら数か月~年単位の時間がかかるものと考え、少しずつ着実に取り組んでください。
戦略的にWeb集客することによるメリット
戦略的なWeb集客で得られるメリットのうち、特にWebを使わない従来型の集客方法で得られないものとしては、以下が挙げられます。
- 会社の所在地や営業時間に関係なく、全国の人へ自社の情報が届けられる
- 看板やチラシで広告を出す場合に比べ、集客コストが安く済む場合が多い
- ペルソナ設定やSEOの活用により、ターゲット層を狙った訴求ができる
- 運用を続けたツールや、顧客の購買・行動データが会社の資産として残る
ただ不特定多数の人を集めるだけでなく、自社に関心があり、商品・サービスの購買意欲が高い人を効率よく集められるところが、戦略立ててWeb集客を行う最大の利点でしょう。
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