顧客のニーズに合わせて商品やサービスを企画・開発・提供することで、モノ・コトが売れる仕組みを作るマーケティングの手法は、ホテルや旅館等の宿泊施設でも活用されています。
そこで今回は、ホテルにおけるマーケティング施策について、実施することの意義や活用されることが多いおすすめの戦略5選、成功事例等と一緒に学んでいきましょう。
目次
ホテルや旅館におけるマーケティングとは?成功のコツ
ホテルにおけるマーケティングとは、自社のホテルを訪れて欲しい方に向けた施設づくりや、宿泊・利用プランづくりを行うこと。そして、自社のサービスについて積極的に情報発信することを通して、より多くのお客様にホテルの魅力について知ってもらい、利用してもらう一連のサイクルを作り出すことです。
なお、現在主流となっているマーケティングの手法は、大きく以下の2種類に分けられます。
- 紙媒体やテレビ・ラジオ等への広告出稿、電話等、インターネットを使わない手法
- ホームページやSNS、Web広告出稿等のインターネット上のツールを活用した手法
宿泊施設はもちろん、飲食店や宴会場としての機能を併せ持つことも多いホテル・旅館には、実にさまざまなお客様がいらっしゃいます。そのため、ホテルのマーケティング施策を考える際には、自社のホテルを利用して欲しいお客様(=ターゲットとする顧客層)の年齢や性別、属性、用途等に合わせて上記2種類の手法を使い分けたり、組み合わせる必要があるのです。
ホテルや旅館がマーケティングを成功させるコツは、まず自社の施設を利用して欲しい顧客の層を明確にすること。そして、ターゲットとなる顧客層に喜ばれる施設やプランを用意した上で、その方々に情報が届くようアプローチしていくことなのだと理解しておきましょう。
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マーケティングの第一歩は「ペルソナ設定」から
自社のホテルにとってメインとなるお客様、顧客層がどのような方々かを探るには、マーケティング手法の一つである「ペルソナ設定」が有効です。ペルソナ設定とは、自社のサービスを利用すると考えられる典型的な顧客像を具体的に想像し、詳細に設定することを言います。
具体的には、過去の宿泊者・利用者のリストと以下項目を参考に、ホテルを利用されるお客様の傾向を分析していくと、自社にとってのペルソナが見えてくるでしょう。
- 年齢、性別
- 居住地
- 家族構成
- 職業、年収
- 趣味、休日の過ごし方
- 用途(一人旅か、家族旅行か、ビジネス利用か等)
- ホテル利用にあたっての悩み 等
なお、ホテルは施設の規模が大きくなるほど、利用者の幅が広くなる傾向があります。観光やビジネス等を目的とした個人の宿泊利用の他に、会食や打ち合わせ等を目的とした法人の利用もある場合は、さまざまなペルソナを設定してマーケティング施策を考えると良いでしょう。
ホテル業界におすすめのマーケティング戦略5選
ホテルでマーケティング施策を打つ際のポイントが把握できたら、ここからは、ホテルや旅館が実行することの多い5つのマーケティング戦略の概要・特徴について見ていきましょう。
その①ブランドマーケティング
ブランドマーケティングとは、長期にわたってホテルの魅力・コンセプトを発信することで認知度やイメージを高め、ブランド力を強化していく手法のことです。具体的には、以下のような自社ならではの強み、コンセプトを端的に表すキャッチフレーズ等をホテル名と一緒に発信することで付加価値を高め、ファンを増やし、新規顧客の獲得や売上増を目指していきます。
- 食事やサービスの質の高さ
- 入浴施設の規模の大きさ、質の高さ
- 値段の手ごろさ
- 立地の良さ
- 部屋から見える景色の美しさ 等
ただし、せっかくホテルのブランド力が向上しても、実際に利用した時に施設の衛生環境やサービス・料理の質が低い等の不備や不祥事があれば、あっという間に良いイメージが崩れてしまいます。
ブランドマーケティングは、マーケティングで培ったホテルのイメージと現場の対応・環境が一致してこそ、高い成果を得られるものだと理解しておきましょう。
その②アウトバウンドマーケティング
アウトバウンドマーケティングとは、自社サービスに関心を持っていそうな層に向けて、一方的に情報を発信するマーケティング手法のことを言います。ホテルのマーケティングにおいては、主に旅行関係のテレビ・ラジオ番組のCM、旅行雑誌の広告、電車の中吊り広告や看板等を使って外向きに宣伝するというニュアンスで使われることが多いでしょう。
なおアウトバウンドマーケティングには、多額の費用が必要です。そのため実行する際には、自社の情報が確実にターゲットの目に触れるように、使用媒体や情報を発信する時間帯、内容を慎重に検討しなければなりません。
その③コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、情報(=コンテンツ)の発信を通して顧客・ユーザーとコミュニケーションを取るマーケティング手法のことです。この場合の情報とは「顧客にとって有益な、価値ある情報」のことであり、製品やサービスを売り込むことを主な目的とした情報や広告は、基本的に含まれません。
なおコンテンツマーケティングの具体例としては、以下のような施策が挙げられるでしょう。
- オウンドメディアの運営を通し、ブログ記事等でお役立ち情報を発信する
- 名前や連絡先が分かる既存顧客、サイト訪問者等に対し、メルマガを送信する
- 新しい宿泊・利用プランや季節のニュース、アンケート等のプレスリリースを配信する
- ホテルの内部や料理、周辺の観光スポット等に関する動画を制作して配信する
- ページを訪れた方が利用しやすいように、サイトの構造やデザインを改善する 等
その④口コミマーケティング
口コミマーケティングとは、実際に商品やサービスを利用した方が投稿する口コミを活用したマーケティング手法のこと。ホテルや旅館の場合は、大手の宿泊予約サイトやGoogleマップ等の口コミの投稿数、ならびに高評価の口コミ数を増やすことで、ホテルの認知度とイメージ、そして利用者数の向上を目指していくことになります。
ただし、口コミはホテルを利用したお客様の率直な感想であり、その内容はホテル側がコントロールできるものではありません。ホテルとして普段から質の高いサービスを提供し、お客様と信頼関係を築いて、自然と高評価の口コミが増えていくような循環を作っていきましょう。
なお口コミが少ない時は、ちょっとしたプレゼントやキャンペーンを用意する等して、お客様に口コミ投稿を促すのがおすすめです。口コミ数が少ないために利用を避けられ、新規のお客様を取り逃してしまうことのないように工夫してみてください。
その⑤SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、主に以下2つのどちらか、または両方の手法を使って行うマーケティング施策のことです。特に、旅行予約サイトやホームページだけでなくSNSで観光地やホテルの情報、口コミを検索する若いお客様への認知度向上、新規予約の獲得効果が期待できます。
- SNSアカウントの運用:SNS上にホテルの公式アカウントを作成して運用する方法
- インフルエンサーマーケティング:一定数以上のフォロワーを抱え、SNS上で影響力を持つ「インフルエンサー」に依頼して、ホテルや旅館のPRをしてもらう方法
上記のうち、特にSNSアカウントの運用は、ブランドマーケティングやコンテンツマーケティング戦略の一環として実施するホテル・旅館が少なくありません。基本的に無料で始めることができ、見込み顧客から潜在顧客まで幅広いユーザー層に客室や設備、周辺の雰囲気等を伝えるのに役立つSNSの運用は、ホテルにとってメリットが大きい施策と言えるでしょう。
ホテルのマーケティングにはWeb施策が重要!その理由は?
ホテルや旅館等の宿泊施設は、昔は旅行会社のパンフレットや窓口、雑誌等から情報を集めて予約するのが一般的でした。しかし近年では、旅行プランや宿泊施設の予約サイト、マップの口コミ、SNS等のインターネット上の情報をもとに宿泊施設を探すのが主流になっています。
ホテルを選ぶにあたり、インターネット上の情報や口コミを参考にするという方は非常に多いです。国内だけで数万件あるとされる宿泊施設の中で自社ホテルが生き残っていくには、オンライン上で行うWebマーケティング、デジタルマーケティングの施策が、今後特に重要になると理解しておく必要があるでしょう。
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ホテルにおけるWebマーケティングの成功事例を公開中!
私たちマーケティングユニットでは、あらゆるWebマーケティングの手法からお客様に最適な施策・戦略をご提案し、必要なスキルだけをサブスクリプション形式でご提供しています。
過去には、新たに宴会場に特化したサービスを立ち上げられたホテルのWebマーケティングの施策として、以下4つの戦略をご提案させていただきました。
- サイト改善
- オウンドメディアの開設、運用
- MEO運用支援
- SNS運用支援
その結果、施策の開始後半年足らずでお客様の商圏地域にてマップ上の「Googleビジネスプロフィール」で上位表示を達成。現在もMEO対策の強化をはじめ、サイトでの集客、新規顧客による予約の促進等、幅広くWebマーケティングの支援・伴走をさせていただいております。
道頓堀ホテル様
競合の多い商圏地域において「ユーザーへの露出を増やし、ホテル宴会場の認知度を向上させたい」「新規予約を増やしたい」等のご要望に対し、デジタルマーケティング戦略の提案・伴走支援をさせていただきました。
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