社会になくてはならない建設業ですが、高い需要が求められるその一方で物価の高騰や人材不足などさまざまな課題を抱えています。
特にここ数年は新型コロナウイルス感染症や東京オリンピックの建設特需、震災の復興などによって建設業を取り巻く環境はめまぐるしく変化しており、課題と向き合いながら安定した業績を求めて自社でマーケティング活動を行う建設業種も増えてきました。
今回の記事では建設業におけるマーケティングの必要性を改めて紐解き、その施策について詳しく解説いたします。
目次
建設業にマーケティングが必要な背景とは
建設業はビルや住宅の建設はもちろん、地域のインフラの整備やメンテナンスの担い手でもあり、社会を支える大きな役割を担っています。
需要のある建設業に本当にマーケティングが必要かどうかを考えるその前に、まずは近年の建設業の動向や問題点を理解する必要があります。
マーケティングは目的によってアプローチや手法もさまざまなので、最初に問題点を洗い出していくことが効果的な施策を実施する近道となるでしょう。
建設業界の動向
2021年の東京オリンピックの開催によって、「建設バブル」と呼ばれるほど建設業界は好況でした。
しかし、それ以降はコロナ渦の影響で受注件数が減少したことに加え、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の上昇、円安による資材の高騰などマイナスの要素が重なり利益を圧迫する状況に。
これらの状況は飲食店や宿泊施設などサービス業にも大きな影響を及ぼし、建設現場での工事の中止が相次ぐことに。コロナ渦以降、建設業の倒産件数は増加傾向にあるといわれています。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が徐々に落ち着いてきたことによって経済が再開し、大阪万博やリニア、都市の再開発など建設業が必要とされることは多く期待できます。今後もしばらくは建設業の高い需要が見込まれるでしょう。
建設業界の課題
近年の建設業界の動向を解説いたしましたが、主な課題としては以下のものが挙げられます。
●就業者の高齢化などによる人手不足
●長時間労働など過酷な環境
●資材が高騰している
●重層下請け構造
国土交通省が発表した「建設産業の現状と課題」によると、建設就業者は1997年以降減少傾向にあります。労働者の高齢化が進んでいることからも、今後はさらなる人材不足が懸念されています。
また人手不足から工事現場の負担が大きくなり、1人1人の労働時間が長くなるなど過酷な就業環境も課題としてささやかれています。
この苦しい建設業界で生き残っていくためには、生産性の工場や業務の効率化が急務だといえます。課題解決の策として、マーケティングの導入を取り入れる業者が増えているのは、必然の流れといえるかもしれません。
●参照サイト:国土交通省「建設産業の現状と課題」
建設業にマーケティングが必要な理由とは
建設業にマーケティングは本当に必要かどうか、疑問に思う方もいるかもしれません。
実際、建設業はまだまだWebを活用したマーケティングを行う企業が少ない業種といえます。
だからこそ、いち早くマーケティングに着手することは他社とも差別化を図るチャンスでもあります。
なんでもインターネットで情報を集めるデジタル化社会において、今後は建設業界もWebマーケティングがマストとなっていくでしょう。
それでは改めて建設業にマーケティングが必要な理由を、以下で詳しくご紹介していきたいと思います。
建設業にマーケティングが必要な理由①:重層下請け構造からの脱却
建設業界では元請けからの仕事を1次下請けに依頼し、さらにまた2次下請けに依頼をかけるという下請け会社で構成される「重層下請け構造」が問題視されています。
工事の内容に合わせて専門化に対応する合理的な側面がある一方で、元請けの理不尽な要求をのみ込まなくてはいけなかったり、何かトラブルがあった時に責任の所在が不明になりやすかったりするというデメリットも。また構造の下部にいけばいくほど収益が減り、安い料金で仕事を引き受けるなど労働環境の悪化にもつながってしまいます。
下請け業務や紹介に頼らず、自社で営業活動を行うことで新たな顧客をつけることができるうえ、直接の契約によって利益のアップにもつなげることができます。
建設業にマーケティングが必要な理由②:新規顧客やリピーターを獲得
マーケティングの最大の目的は新規顧客やリピーターの獲得です。
どんな顧客が自社のサービスを求めているのか、またターゲットとなる顧客にどのようなフォローをしていけばよいのかを分析していくことによって、顧客に対する最適なアプローチの施策が見えてくるはずです。
元請け企業に頼ることなく、自社で顧客を開拓して増やしていくためにもマーケティングは必須といえます。
建設業にマーケティングが必要な理由③:自社の強みをアピール
市場において自社がどのようなポジションであるかを分析するのも重要です。
他社と比べて売上やサービスはどのように違うのか、自社はどんなところがアピールできるかを明確にして、競合会社との差別化を図ります。
マーケティングで自社を俯瞰の視点で分析することによって強み・弱みが把握でき、どのようなサービスをどのように提供すればよいか目的も設定しやすくなります。
厳しい業界で生き残っていくには、自社にしかない価値を生み出すことも重要です。
建設業で成果を上げるマーケティング施策例
建設業におけるマーケティングの必要性が見えてきたところで、実際に成果を上げるための施策をいくつかご紹介したいと思います。
ただし、マーケティングの施策を実施する前には「なんのためにマーケティングを行うのか」「顧客をどこへ呼び込むか」など、目的を明確にしておく準備が必要です。
「売上を上げたい」「もっと多くの人に自社のサービスを知ってほしい」といった目的を定めることによって、適した施策を効果的に行うことができます。
目標を達成するためにどの施策を取り入れるべきか、計画的なマーケティングを進めましょう。
ホームページの運営
インターネット上にホームページを持つことで、まずは自社を顧客に知ってもらうきっかけになります。
施工事例や竣工写真、料金表、オーターの流れなど、顧客が知りたい情報のほか、最新情報をオウンドメディアで発信するなど、コンテンツを充実させることによって見ている方も購買意欲が高まり発注へとつながりやすくなるでしょう。
また顧客がGoogleやYahoo!などの検索エンジンを使って調べた時に、自社のWebサイトを上位に表示させるためのSEO対策も一緒に行うと効果的です。
SEOの仕組みについては過去に詳しく紹介しているので、どんなものなのかを具体的に知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
SNSの運営
FacebookやX(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して、自社サイトや問い合わせへの誘導を行うのがSNSマーケティングです。
SNSは影響力や情報拡散力が強いのが特徴で、認知獲得や販売促進が行えます。どれも無料で登録ができるので、定期的に情報を発信して、内容の充実を図りましょう。
普段の作業風景や自社のサービスや商品を紹介することで信頼度の向上になるほか、会社の雰囲気が伝わりやすいため若手人材の確保につながる可能性も。
ただし、SNSは会社のブランディングに大きく影響します。顧客に自社をどのように見せていくのか、計画的な運用が必要に。自社での運用が厳しい場合は、専門知識のある業者への委託も検討するとよいでしょう。
広告の出稿
広告は雑誌やテレビ、ラジオに出稿する「マスメディア広告」とインターネット上に出稿する「インターネット広告」などがあります。特にインターネット広告は細かくターゲットを設定して広告を配信することができるので、スピーディーな効果が期待できます。
ターゲットを絞ることは、マーケティングの基本の一つです。
広告を出稿する前に、自社のサービスや商品がどういった層とマッチングするのかを絞りましょう。
「関西地域で外壁工事を依頼したい人」「住宅のリフォームを検討している人」など、ターゲット層を細かく設定するのが集客への鍵です。
広告で自社の強みを全面的にアピールすることで競合他社との差別化ができ、自社ブランドの確立にもなります。
またインターネット広告にもリスティング広告、ディスプレイ広告、動画広告などさまざまな種類が存在します。
売り出したいサービスやターゲットによって相性があるので、最適な手法を選ぶように気を付けてください。
インターネット広告についての詳しい内容や効果は、以下の記事でもご紹介しています。
チラシのポスティング
SNSの運用やインターネット広告などマーケティングの場がWeb中心となっていますが、印刷をしたチラシをポストへ投函する昔ながらの手法もあります。インターネットをあまり利用しない層へは効果的な施策といえるでしょう。
ただし、実際にチラシを目に留めてもらわなければただの紙とされてしまいます。
きれいな施工例の写真を使用するなど、ぱっと一目見ただけで何が伝えたいのか分かりやすいチラシを制作するのがポイントです。
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