近年、ネットでの消費活動はますます拡大しており、多くの企業にとって、インターネット市場は自社売り上げを大きく伸ばす可能性を秘めています。
一方、消費者の行動は多様化しており、企業の担当者はwebマーケティングの戦略について熟知している必要があります。
そのような中、担当者に任命されたものの、Webマーケティングの具体的な戦略が分からず、これから少しずつ学びたいという方も多いでしょう。
そこで今回は、webマーケティングを成功に導く戦略をご紹介します。
目次
webマーケティング戦略立案のポイント
webマーケティング戦略で重要な点は何でしょうか。
webマーケティングの目的の一つは、コンバージョン(何らかの成果報酬)を得ることです。
ネットショップなら商品を買ってもらう、メルマガ運営者の場合は新規購読者が増えるといった成果がコンバージョンになります。
しかし、ネット上では常に他サイトが競合し合っています。
実物を見なくても買い物ができるwebでは、ユーザーの動きも実世界以上のスピードで変化します。
戦略を立てずに、やみくもにwebサイトを立ち上げるだけでは、確かな効果は得られません。
では、効果的なwebマーケティング戦略とは何か、具体的な3大ポイントを挙げてみましょう。
戦略①対象となるユーザーを考える
まず重要なのは、自社商品に最適なユーザーを想定することです。
- 年齢、性別、家族構成
- 日常の過ごし方
- SNSなど情報との接し方
- 商品を購入する動機、商品で解決したい悩み
上記のようなユーザーの傾向を分析すると、優先的に取り組むべきメディアや、コンテンツが選択できます。
相手が企業の場合、業種や会社規模、担当者の役職といった点の考察も必要です。
ユーザーを詳しく分析することで、潜在的な需要を発見することにつながり、競合相手に差がつけられます。
戦略②競合を調査する
ユーザーが、商品を利用したいと考えた時に比較対象とするのが競合商品です。
検索エンジンのgoogleなどで、ユーザーが検索しそうなキーワードを入力してみましょう。
検索結果に表示される商品やサービスが、ライバルになる可能性が高いサイトです。
実際にwebサイトを訪問し、商品の詳細などを調査します。
また、SNSも広告戦略の要となっているため、競合相手のSNSをチェックすることも有効です。ユーザーと競合相手が、SNS上でどのように関係しているかわかります。
戦略③自社の強みや課題を把握する
自社商品の現状を把握することも重要です。
有用であると思われる点が、ユーザーにとって不要である場合も考えられます。
逆に、ユーザーのレビューから商品の意外な魅力を発見できるかもしれません。
自社の商品について、ユーザーがどのように見ているのか調査し、競合サイトと比較することで客観性の高い戦略が立つのです。
以上、3つの点を考慮し、どのようなターゲットに、何を、どのように売り込むかを決めて戦略を立てることで高い成果をあげることが可能になります。
関係を継続することも重要
商品を購入してくれたユーザーと、継続的な関係をつくることも大切です。
CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)とも呼ばれます。
新たに利用者をつくりだそうとすると、リサーチや広告の費用が発生します。そのため、既存客との関係を維持するより5倍のコストがかかるといわれます。
しかし現ユーザーを大切にすることで、高い収益性を保ちながら競合に勝つことが容易になるのです。
また、SNSの普及で個人が発信する情報の価値が高まっています。インフルエンサーと呼ばれ多くのユーザーに影響を持つ情報発信者もいるため、販売者は今まで以上に個人との関係を重視する必要があるでしょう。
webマーケティング戦略に必要な思考法とは
顧客に対し商品の魅力を的確に伝え、成約を生むためには、ビジネスの要点を明確化する必要があります。
webマーケティングにおいては、目的にあわせて作られた枠組みに課題をあてはめて思考するフレームワークと呼ばれる手法が有効です。
マーケティング業務の各段階で有効な思考法とフレームワークを紹介します。
①現状分析に有効なフレームワーク
webマーケティングでは、サイト運営や広告展開を実行する前に、自社サービスの現状や競合相手について明確にする必要があります。
現状を把握するための基本的な思考法に、MECE(ミーシー、またはミッシー)があります。
MECEとは、以下の意味になります。
- Mutually (お互いに)
- Exclusive (重複せず)
- Collectively(全体に)
- Exhaustive(漏れがない)
の略です。一般に「漏れなく、ダブりなく」と訳されます。
物事を進めていく課程で、ある要素が重複したり、抜けてしまうことが起こりやすくなります。
例えば、ある販売サイトの収益化を図るため改善策を考えてみます。
- 商品のクオリティ
- ショップスタッフ
- 商品の単価
- ターゲットの選定は適切か
- 成約(コンバージョン)率
- 流入数
収益に影響する要素はいくつも考えられますが、中には天候といったコントロールできない項目も考えられます。
何が本当に必要な要素かを整理する時に、漏れをできる限り減らすという考え方がMECEです。
そして現状分析の段階でMECEを実践的に用いるために、次のフレームワークが有効です。
3C分析
3Cとは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を意味します。
市場、競合相手、自社の各要素を調べていくことで現状を把握する方法です。
3Cフレームワークはシンプルでわかりやすいため、自社を取り巻く業界の状況を整理するのに適しています。
SWOT分析
SWOTは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat
(脅威)の5つの頭文字です。
自社の強みと弱みの内部環境と、ビジネスの機会と外的脅威を組み合わせて、最適解を導くためのフレームワークです。
PEST分析
PEST分析では、Political factors(法改正など政治的要因)、Economic factors(経済動向からの影響)、Social factors(人口や流行など社会的動向)、Technological factors(インフラ革新など技術面からの影響)の4つの要因が会社に与える利益と不利益と影響の大きさを分析します。
バリューチェーン分析
バリューチェーン(Value chain)とは原料やパーツの調達活動、商品の製造、サービスの提供からアフターケアなどの一連の事業を、つながった価値(Value)の連鎖(chain)として考える方法論です。
バリューチェーン分析では、企業が行う様々な業務を機能別に分類し、強みや弱みを明確にします。
事業内容の棚卸をしたい場合や、他社との差別化を図りたい時に用いられるフレームワークです。
5フォース分析
5フォース分析は、企業が関わっている、あるいはこれから関わる業界の構造や状況を分析するフレームワークです。
具体的には次の5つの要素を分析します。
- 業界内の敵対関係
- 新規参入者の脅威
- 代替品の脅威
- 売り手の交渉力
- 買い手の交渉力
上記5要素が強い業界ほど収益性が低く、ビジネス展開するハードルが高いと考えられます。
②企画立案に有効なフレームワーク
MECEとフレームワークで自社の強みを調査し、外的な脅威などを分析した後で必要なのが、企画内容の精査です。
適切なフレームワークを使用することで、自社製品のオリジナリティや顧客層の選定などが可能になり、質の高い企画内容が作成できます。
具体的には、「4C」「4P」「STP」3つのフレームワークが用いられます。
4C分析
4Cとは、以下の単語の頭文字になります。
- Customer Value(商品が顧客にとってそのような価値があるか)
- Cost(顧客コスト、商品購入する際の顧客負担)
- Convenience(顧客が商品購入する際の利便性)
- Communication(商品の情報や商品の魅力の見つけやすさ)
上記4つの観点から自社サービスを見直すのが4C分析です。顧客目線で、マーケティング戦略を考える方法といえます。
4P分析
4P分析は「マーケティングミックス」とも呼ばれます。
- Product 顧客が魅力的だと感じる商品
- Price 品質に見合った適正な価格
- Place 顧客が入手しやすい販売網の整備
- Promotion 商品の存在や魅力をアピールする宣伝
4C分析は、顧客目線での分析手法です。一方、4P分析では企業側から顧客にアプローチする方法を考える、フレームワークになります。
STP分析
4Cや4Pよりも、細かく分析するフレームワークがSTP分析です。この手法では、3つの要素で顧客や市場を分析します。
S=Segmentation(セグメンテーション:市場細分化、市場の中の顧客を類似するニーズごとに分類する)
T=Targeting(ターゲッティング:標的市場の決定、細分化した顧客層からターゲットを絞り込む作業)
P=Positioning(ポジショニング:競合商品と自社商品を比較するなどして、市場における自社立ち位置を明確化する)
一つの製品ですべての需要を満たすことはできません。ゆえに、「あらゆる顧客をターゲットにした商品は、誰からも必要とされない」というのがマーケティングの基本的な考えです。
どの市場で、どのターゲットに向けてどのようにアプローチするか、最も効果的な手段を決定するために重要になるのが、STP分析といえます。
③施策の振り返りに有効なフレームワーク
フレームワークを使用し、商品ターゲットを特定して発売にまで至っても、施策の振り返りは必須です。
自分たちでは万全の体制でマーケティング戦略を練ったつもりでも、意外な見落としや盲点は発生するものです。
ゆえに、商品の発売後も継続的な戦略の見直しや整理は必要になります。
PDCAサイクル
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)4つのサイクルを繰り返すことで業務の改善を目指す方法です。
1.計画を立てる
最初に、販売戦略を立てます。商品の販売個数などの目標を立て、達成するために必要なことを考えることが必要です。
2.計画を実行する
立てた計画を実行します。目標達成までの期限を決める、売り上げの推移を記録するなどして、定期的に計画の効果を確認することが大切です。
3.計画を評価する
評価の段階です。計画に基づいた目標を達成できたかなどを検証し、実行した結果が良かったのか悪かったか具体的な数値を基に判断します。
4.計画を改善する
最後に改善です。評価段階で判明した不足点や問題を検討し、計画をそのまま続行するのか、終了するのか、改善して続行するのかを決定します。
この改善段階で、次の計画も視野に入れて考えることが大切です。
PDCAは一度実行して終わりではありません。また計画に戻り、プランを実行し、評価し、改善して…を繰り返すことでマーケティング計画の精度が上がっていくのです。
PDCAサイクルの実行によって当初の計画不備や、社会情勢の急激な変化などにも対応できるのです。
ただ計画を練るだけではなく、PDCAを回すたびに外的変化や見落としなどを考えながら戦略を練っていくことが重要といえるでしょう。
フレームワークを習得するには?
フレームワークは、webマーケティングにおける見落としを防いでくれたり、計画の精度を高めてくれる大変有効な手法です。
しかし、実際の業務では予期せぬ事態がたびたび発生します。現実のwebマーケティングには、「こうすれば正解」というものはありません。
現実に押し寄せる課題には、様々な状況を経験しながら対応していくしかないのです。
ビジネスの現場でフレームワークを使いこなすには、実際に業務で使用しながら、課題を修正していくことが大切です。その結果として、状況に応じた適切な手法を選ぶ力が身に付きます。
webマーケティング担当者に必要な戦略思考
webマーケティングの各手法を実践することは、本質ではありません。
webマーケティング担当者は、それぞれの施策の特徴を踏まえたうえで、自社にとって最もコストパフォーマンスに優れた手法を選択し、優先順位をつけて実行していくことが求められます。
特に、全体を管理する立場にある場合は、部分的な施策だけではなく、状況に応じて手法を取捨選択していく視野の広さも必要です。
商品を売る側の立場、顧客の立場、競合相手の立場などから自社の商品やサイトを見つめることが、多くの気づきや改善点をもたらします。
自社サイトを友人や知人に利用してもらい、率直な意見をもらうことも効果的です。
また、社会情勢やトレンドをこまめにチェックする習慣も、緻密なwebマーケティング戦略につながります。
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今回はwebマーケティングにおける様々な戦略を紹介しました。
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