新規顧客を獲得するには、どのようなルートで見込み顧客が自社の商品やサービスを知るのか?見込み顧客の購買活動に沿った集客方法は何か?というポイントを抑えておきたいところです。
そこで今回は、新規顧客を獲得するルートや集客するポイント、具体的な獲得方法について解説していきます。
また、新規顧客とリピーター顧客を集客するためにかかるコストの算出方法や、リアルマーケティング・Webマーケティングそれぞれの手法もご紹介しています。
新規顧客の獲得でお悩みの方は、ぜひ参考にご覧ください。
目次
新規顧客を獲得する5つのルート
まずは、新規顧客を獲得するルートについてご紹介します。
見込み顧客が自社の商品やサービスを知る主なきっかけは、
- 広告
- コンテンツ
- 紹介
- 情報媒体
- キャンペーン
の5つのルートにまとめられます。
それぞれのルートについて、詳しく見ていきましょう。
ルート①:広告からの顧客獲得
広告(コマーシャル)とは広告料を支払って広告媒体に掲載する集客方法のことで、まだ商品やサービスを知らない潜在層から、すでに興味関心を持っている顕在層まで、幅広く情報を届けることが可能です。
そして、一般的に広告の種類は下記の4つに集約することができます。
- Web広告:リスティング広告、ディスプレイ広告、動画広告など
- 人を仲介する広告:インフルエンサー、アフィリエイターなど
- 情報媒体による広告:新聞広告、雑誌広告、テレビCM、ラジオCMなど
- セールスプロモーション(SP)広告:交通広告、屋外広告、看板、イベントなど
ルート②:コンテンツからの顧客獲得
コンテンツとは直訳すると「中身」という意味になりますが、マーケティングでは「情報を持つもの」といった意味で用いられます。
新聞やテレビといった情報媒体や、音楽や映画といった芸術作品もコンテンツに分類されますが、マーケティング業界ではWeb上にあるデジタルコンテンツを指すことが多く、デジタルコンテンツを活用したマーケティングをコンテンツマーケティングと呼んでいます。
例えばブログやSNS、動画、電子書籍、メールマガジンといったものがコンテンツマーケティングに該当し、消費者が抱えている疑問や不安を解決するような有益性のあるコンテンツを作成・発信してファン化することで、新規顧客の獲得を目指していきます。そのため、潜在顧客へのアプローチ方法として大変効果的だと言えるでしょう。
ルート③:紹介での顧客獲得
人からの紹介も、新規顧客の獲得ルートとして重要なものです。特に近年は、既存ユーザーや既存顧客からのリアルな意見、いわゆるクチコミは、手軽に役立つ情報が入手できることもあり、多くの消費者が参考にしています。
紹介の種類としては、
- 既存顧客からの紹介
- インフルエンサーによる紹介
- クチコミサイトでの紹介
などがありますが、金銭の受け取りや商品提供がないことが広告との相違点と言えるでしょう。
仮に、広告料などを受け取った・受け取る前提であることを隠して紹介やPR活動を実施した場合はステルスマーケティング(通称ステマ)と呼ばれ、景品表示法に抵触する恐れがあるため、紹介制度を利用する際は注意が必要です。
ルート④:情報媒体からの顧客獲得
情報媒体とは、情報を発信・伝達するための仲立ちとなるものです。以前までは「情報媒体=マスメディア」とされていたのですが、最近ではWebメディアやソーシャルメディアも情報媒体として扱われています。
- マスメディア:テレビ、ラジオ、新聞、雑誌
- Webメディア:ニュースサイト、コーポレートサイト、ポータルサイトなど
- ソーシャルメディア:Twitter、Youtube、Facebook、Instagram、TikTokなど
インターネットが普及したことにより、Webメディアやソーシャルメディアは誰でも簡単に利用できる情報媒体となりました。そして、インターネットを活用したマーケティングはWebマーケティングと呼ばれ、新規顧客の獲得ルートとして欠かせない存在です。
ルート⑤:キャンペーンからの顧客獲得
キャンペーンとは、新規顧客の獲得・販売促進・広告宣伝を目的として、ある一定の期間内で行う活動のことです。
キャンペーンは、大きく分けて以下の2つに分けられます。
- オープンキャンペーン
- クローズドキャンペーン
オープンキャンペーンとは誰でも参加できるように条件を低く設定したキャンペーンで、アンケートの回答やSNSのフォロー・拡散、無料会員登録などが例にあがります。キャンペーンの目的としては、商品購入やサービス利用よりも認知度の向上に適しています。
一方、クローズドキャンペーンとは参加ハードルが高めに設定されているキャンペーンで、応募券やスタンプを集めることで参加できるものや、商品購入後・サービス利用後に参加できるようなものが分類されます。
オープンキャンペーンの目的が認知向上なのに対し、クローズドキャンペーンは販売促進を目的として開催されます。
新規顧客を獲得するためのポイント
闇雲な集客活動は思うような結果に結びつかないケースが多いもの。そのため、新規顧客を獲得するためのポイントをおさえて、着実に取り組んでいくことが重要だと言えます。
そこで、新規顧客を獲得するためのポイントとして以下の4点をご紹介します。
- 新規顧客のカスタマージャーニーを知る
- 新規顧客の獲得にかかるコストを知る
- ターゲットやペルソナを明確にする
- 短期型集客・中長期型集客を知る
それでは詳しく見ていきましょう。
ポイント①:新規顧客のカスタマージャーニーを知る
新規顧客を獲得するポイントの一つ目が、「新規顧客のカスタマージャーニーを知る」ことです。
カスタマージャーニーとは、消費者が自社の商品やサービスを購入するまでのステップをジャーニー(旅)に例えた考え方で、一つひとつのステップを可視化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。綿密に作り込まれていればいるほど、新規顧客の購買活動により近づくことが可能となります。
また、カスタマージャーニーを活用するメリットは新規顧客の獲得以外にも、ユーザー目線で一貫性のある商品開発・サービス提供や、ユーザーの購買活動把握にも役立ちます。
そしてカスタマージャーニーの組み立て方法についてですが、色々な考え方があるものの、一般的には次の5つのフェーズで情報収集や集客活動を行っていきます。
フェーズ | 購買活動 |
①興味関心 | 「これって何?」「欲しいかも!」 |
②情報収集 | 「どこで買えるの?」「いくらで売っているの?」 |
③比較検討 | 「どっちの品質が良い?」「どっちが自分に合っている?」「希望通りに予約できるのは?」 |
④購入 | 「支払いや予約のしやすさは?」「クーポンや割引は利用できる?」 |
⑤共有 | 「SNSでシェアしよう!」「レビューを書こう!」 |
いずれも、先ほどご紹介した5つの新規顧客獲得ルートから流入があり、それぞれのフェーズによって活用方法を変えていく必要があると言えるでしょう。
ポイント②:新規顧客の獲得にかかるコストを知る
新規顧客を獲得するポイントの二つ目が、「新規顧客の獲得にかかるコストを知る」ことです。
新規顧客の獲得にかかるコストは、「1回の購入や利用にかかるコスト」と「リピート時にかかるコスト」で分けて考えると可視化しやすくなります。
例えば飲食店の場合、原価や人件費といったコストは「フードレイバー(FL)コスト」と呼ばれ、理想的な割合は55〜60%とされています。
加えて、理想的な利益率は10〜15%とされていますので、残る25〜35%が顧客獲得にかけても良いコストだと計算できます。一人あたりの売上単価が3,000円だとすると、およそ750〜1,050円が新規顧客の獲得としてさける予算となります。
さらに、新規顧客の獲得にかかるコストを考える上でぜひ知っておきたいのが「1:5の法則」と「5:25の法則」です。
1:5の法則とは、新規顧客の獲得にかかるコストはリピーターの獲得にかかるコストの5倍かかるというマーケティング法則です。先ほどの飲食店の例で単純計算すると、リピーター顧客の獲得にかかるコストは150〜210円まで下げることができるということになります。
一方、5:25の法則とは、リピーター離れを5%改善すれば、利益が25%以上改善されるというマーケティングの法則です。つまり、新規顧客がリピーターとして定着すれば、利益が5倍改善されていくという結果になります。
ポイント③:ターゲットやペルソナを明確にする
新規顧客を獲得するポイントの三つ目が、「ターゲットやペルソナを明確にする」ことです。
ターゲットとは自社商品やサービスの購入を想定した顧客層のことで、マーケットを細かく分類(セグメンテーション)していき、ある特定のグループをターゲットとしてマーケティング活動することをターゲティングと呼んでいます。
ターゲットを設定することで、新規顧客の獲得や商品開発・サービス提供の軸となるだけでなく、消費者にとっても自分好みの商品やサービスに出会えるきっかけとなります。
対してペルソナ(persona)とは、自社商品やサービスの購入を想定したユーザー像のことで、より具体的な一人の人物像を作り上げていきます。新規顧客の獲得の軸となるだけでなく、社内認識のズレを防ぐことにも役立ちます。
- ターゲット:地理、心理、行動、属性、購買活動、人口動態変数*などで分類
- ペルソナ:氏名、年齢、趣味、ライフスタイル、家族構成、収入などを具体的に設定
*人口動態変数(デモグラフィック変数)とは、年齢や性別、家族構成、所得水準、職業、学歴、宗教、人種などの変数。
ポイント④:短期型集客・中長期型集客を知る
新規顧客を獲得するポイントの四つ目が、「短期型集客・中長期型集客を知る」ことです。
短期型集客とは、集客効果が短期的で一時的な顧客獲得方法のことを指し、例えば新聞の折込チラシやポスティング、ダイレクトメール、テレビCMなどが代表的なものです。配布や契約期間が終わると集客効果は薄れてしまうものの、新規オープン時などの集中的に顧客を獲得したい時に有効です。
対して中長期型集客は、集客効果が中長期にわたって継続する顧客獲得方法のことで、例えばホームページやブログといったオウンドメディアなどが代表的なものになります。短期型集客に比べて結果が現れるまで時間はかかりますが、集客効果が継続するという特徴を持ちます。
インターネットが普及するまでは前者の短期型集客に重きが置かれがちでしたが、現在は短期型集客と中長期型集客を組み合わせて新規顧客の獲得を目指すことが主流となっています。例えば、テレビCMの最後でインターネット検索に誘導したり、チラシにホームページのQRコードを掲載するのも、このような意図を含んでいるためです。
新規顧客の獲得方法は2タイプ
新規顧客の獲得方法には、プッシュ型とプル型という二つの種類があります。
それぞれの特徴と具体例を見ていきましょう。
方法①:プッシュ型で新規顧客を獲得する
プッシュ型とは、企業側から消費者に対して集客活動や販売促進活動を行っていくもので、アウトバンドソーシングとも呼ばれています。この時、消費者は自らの意思とは関係なく企業からの情報を受け取ることになります。
具体例としては、テレビ・新聞・ラジオなどのマスメディアや、テレアポ・訪問販売といった新規開拓営業になります。
特にテレビやラジオといったマスメディアは不特定多数の消費者へ一度に情報が提供できますので、認知度の向上に適していると言えるでしょう。
しかし、プッシュ型での新規顧客獲得は「押し売りされている」「詐欺かもしれない」というような心理が働きやすい上、ニーズが合致しているターゲットに必ずしも届くわけではないというデメリットを持ち合わせています。
加えて、プッシュ型は短期型集客に分類されるため、即効性はあるものの、長く継続するにはそれなりの運用コストが必要となります。
とは言え、成功すれば新規顧客の獲得に加えてブランディングやイメージアップにも繋がりやすく、特に無差別型マーケティングと呼ばれる特定のターゲット層を持たない商品やサービス(トイレットペーパーや食品など)との相性は抜群です。
方法②:プル型で新規顧客を獲得する
プル型とは、消費者が自ら情報を入手してもらうような仕組みをつくる顧客獲得方法で、インバウンドマーケティングとも呼ばれています。プッシュ型は企業の好きなタイミングで消費者へアプローチできるのに対し、プル型は消費者の好きなタイミングで企業側へアプローチしてくる形となります。
具体例としてはインターネットでの検索やSNSが代表的なもので、SEO対策やオウンドメディアの運用など、Webマーケティングが中心となります。
プル型の特徴としては、プッシュ型と比較して運用コストが安く、一度公開してしまえば運用期間中はコンテンツが自走して新規顧客の獲得を24時間体制で担ってくれるというメリットがあります。反対にデメリットとしては、プッシュ型のような即効性には欠ける点があげられるでしょう。
ちなみに、テレビやラジオなどのマスメディアを利用した広告はプッシュ型ですが、Webサイトやアプリなどで表示されるようなWeb広告はプル型と呼ばれています。なぜなら、Web広告は消費者が興味関心を持っている情報が表示される仕組みになっているので、自ら情報を入手していると捉えることができるからです。
リアルマーケティングで新規顧客を獲得する方法
リアルマーケティングとは、主にオフラインで行われるマーケティング活動を指します。リアルマーケティングで新規顧客を獲得する方法とポイントについて見ていきましょう。
まず、リアルマーケティングで新規顧客を獲得する具体的な方法には、以下のようなものがあります。
- 展示会
- ダイレクトメール
- ポスティング
- 無料セミナー
- テレアポ
- 看板
- サンプリング
- 新聞・雑誌広告
- 新聞折込チラシ
- CM(テレビ、ラジオなど)
- 紹介
- 集客・販促イベント
- プレスリリース
- 飛び込み営業
- 交通広告(電車、バス、タクシーなど)
- 屋外広告(ビルボード、ポスターなど)
リアルマーケティングといってもCMや交通広告など、企業側の担当者が直接消費者と対面しないものもありますが、対面して関係性を構築できるイベント開催や飛び込み営業などは、リアルマーケティングならではの良さです。
その場で獲得ができなかった場合でも、名刺やパンフレットなどを手渡しておけば、あとから実を結ぶケースも少なくありません。また、情報媒体を実態として認識できるため、安心感や信頼感も与えることができます。
リアルマーケティングで新規顧客を獲得するポイント
リアルマーケティングで新規顧客を獲得するポイントは、「特別感」を意識することです。
例えば、お誕生日特典としてダイレクトメールを送付する場合、電子メールで受け取るのと、ハガキや封書で受け取るのでは特別感が違います。手書きのメッセージが添えてあれば、好感度もぐっと上がることでしょう。
ペーパーレス化が進む現代において、あえて紙媒体でアプローチをかけるのであれば、カレンダーやインテリアとして再利用できるデザインにしたり、再生紙を利用するなどの工夫も必要です。
また、特別感の演出はダイレクトメールに限らず、イベントブースやサンプリング、展示会の開催に関しても重要なポイントとなります。
Webマーケティングで新規顧客を獲得する方法
Webマーケティングとは、インターネット上でのマーケティング活動を指します。
総務省の「情報通信白書令和3年版」によると、人口全体の8割近くがスマートフォンやタブレットを「よく利用している」「ときどき利用している」と回答しており、20〜30代に至っては100%に近い数字となっています。また、利用目的の70%はインターネットショッピングを利用していると回答しています。
そのため、Webマーケティングは新規顧客の獲得において切っても切れない存在だと言えるでしょう。
Webマーケティングで新規顧客を獲得する方法には、以下のようなものがあります。
- オウンドメディア(ホームページ、ブログなど)
- SEO
- SNS
- メルマガ
- リスティング広告
- ランディングページ(LP)
- アフィリエイト
- オンラインセミナー(ウェビナー)
- オンライン展示会
SNSなどはWebマーケティングの知識がなくても簡単に始められる一方、単なる情報発信ではなく新規顧客の獲得を目標に見据えて運用するのであれば、専門知識や経験が必要となります。
また、自社コラムや製品情報などのオウンドメディアを運用するのであれば、SEO対策(検索エンジン最適化)やメルマガ運用、リスティング広告を配信するなら、ランディングページなどとの連携も視野に入りますので、こういったWebマーケティング一式を任せられるパートナーをつけた方が、早く結果に結びつくこともあります。
オウンドメディア運用については「オウンドメディアの目的とは?運営を成功させるために目的を明確に持とう」を、SEO対策については「WebマーケティングのSEOとは?重要性・仕組み・対策内容も解説!」も併せてご覧ください。
Webマーケティングで新規顧客を獲得するポイント
Webマーケティングで新規顧客を獲得するポイントは「自動化」です。
Webマーケティングはデジタルを活用しているという利点から自動化できることが多く、例えばメルマガやSNSは投稿予約をしていれば担当者が不在でも投稿ができますし、SEO対策によって検索上位をキープしていれば24時間新規顧客を獲得し続けてくれます。
また、LINE公式アカウントのLステップやチャットボットといったパーソナライズされたやりとりができるプログラムや、新規顧客の獲得や広告の最適化などを自動で行ってくれるマーケティングオートメーション(MA)ツールを活用すれば、人にしかできない作業に時間を割くことができます。
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