競争の激しい物流業界において顧客に選ばれる企業になるためには、マーケティングが必要不可欠です。しかし、中には「そもそも物流業でもマーケティングは必要なのか」「人材不足でマーケティングに労力を割きたくない」などとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、どうして物流業でもマーケティングに取り組むべきなのかについてまとめていきます。また、物流業で取り入れたいWebマーケティング施策や成功のポイントなども併せて解説していきますので、「効率的に売上を伸ばすにはどうすればいいか」「競合とどう差別化していくか」などでお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
目次
物流業に欠かせない「マーケティング」とは?
マーケティングとは、「商品やサービスが自然に売れるような仕組みを作ること」。具体的には、顧客が求める商品やサービスを提供するために行う市場調査(マーケティングリサーチ)や商品開発、広告宣伝、販売促進活動などがマーケティングに含まれています。
企業側から顧客に売り込んでいく「セールス」と混同されることもありますが、「マーケティング」は、企業からプッシュしなくても顧客が自然に買いたくなるような仕組みを構築するという点に重きをおいています。
マーケティングリサーチによって顧客ニーズを把握した上で、それらを反映させた商品・サービスを開発。自社の商品・サービス自体に価値を持たせれば顧客に“選んで”もらえるため、価格戦略に依存しない高い競争力と成果の最大化を目指すことが可能となります。
労働力不足・長時間労働・顧客ニーズの多様化など、多くの課題を抱える物流業においても、しっかりとマーケティングを行うことで少ない労働力でも自然に見込み客を獲得することができるようになるため、業務効率化の有効な手段となっています。
物流業がマーケティングに取り組むべき理由
では、物流業にもマーケティングが必要だと思われる理由は何なのでしょうか?前述の業務効率化と合わせ、その具体的な理由について分かりやすくまとめていきます。
物流業がマーケティングに取り組むべき理由①:業務が効率化できる
労働力不足・長時間労働が深刻な課題となっている物流業界ですが、マーケティングを行うことで効率的に業務を行うことが可能となります。
例えば、自社サービスへの問い合わせが減少した際にむやみやたらに営業をかけたり、戦略を立てないまま「とりあえず広告を増やそう」「値引きしよう」など安易な考え方で進めてしまうと、逆に「労力やコストの割に売上が伸びない…」と悪循環に陥ってしまうこともあります。
そのような際に、市場調査や環境分析などのマーケティングリサーチを行うことで、自社の立ち位置や正確な顧客ニーズを把握。それをもとに、顧客が購買したいと思えるようなサービスの開発や価格の設定、販促企画などを的確に立案することができれば、限られた労働力でも効率的に成果を上げることが可能となります。
物流業がマーケティングに取り組むべき理由②:市場での優位性を獲得しやすい
現在、物流業ではマーケティングに力を入れている企業があまり多くないため、比較的マーケティングで成果が出しやすい状態であるというのも一つの理由となります。
ですので、積極的にマーケティング活動を行うことで、これまで見えていなかった潜在顧客を発見したり、自社商品・サービスの価値を確立して価格戦略に依存しない高い競争力を付けたりするなど、市場での優位性を獲得することが可能となります。
物流業がマーケティングに取り組むべき理由③:能動的な問い合わせが増える
物流業においても積極的にマーケティングを行うことで、顧客からの能動的な問い合わせが増加しやすくなります。
顧客は商品・サービスが自分にとって価値のある魅力的なものであれば、こちらから営業をかけなくても自ら問い合わせるなどの購買行動を起こします。他者から営業をかけられたものよりも、顧客自身が選んで問い合わせたものの方が、成約率はグッと上がるもの。結果的に効率的に売上を伸ばすことにもつながります。
物流業で取り入れたいWebマーケティング施策とは?
一口にマーケティングと言っても市場調査から広告宣伝・販売促進まで幅広い業務に関わってくるため、何から始めればいいか分からないという担当者の方も少なくありません。
そんな時は、Webマーケティングから始めてみると良いでしょう。Webマーケティングはオフラインの施策とは異なり、仕組み的にも比較的容易に取り組みやすいほか、数値でデータが取れることから成果が見えやすいのが特徴。近年ではBtoC・BtoBともに、企業の販売戦略において欠かすことのできない存在となっています。
ここでは、物流業で取り入れたい代表的なWebマーケティングの手法をご紹介しますので、ぜひ参考にご覧ください。
Web広告
Web広告とは、検索エンジンや他社のWebサイトなどに広告を出稿する手法で、Webマーケティングの代表的な手法の一つとなります。
Web広告には、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果にテキストで表示される「リスティング広告」や、Webサイトやアプリなどに画像や動画などが表示される「ディスプレイ広告」、SNS上に広告を表示する「SNS広告」などさまざまな種類があり、Web上のあらゆる媒体に広告を出すことで集客を実現します。
ホワイトペーパー
マーケティングにおけるホワイトペーパーとは、課題の解決策やノウハウ、製品・サービスの導入事例など、顧客の役に立つ情報をまとめたマーケティングツールの一つ。営業資料や商品カタログと同様に、企業のWebサイトからダウンロードできる資料のことを指します。
ターゲット顧客の興味関心や悩み・疑問などに対して、自社独自のノウハウや情報をまとめることで、顧客を課題解決に導いて企業としての信頼を得るほか、顧客情報を獲得して商談につなげるなどの目的で利用しています。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、その名の通りSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用したマーケティングで、SNSアカウントの運用を通して企業や製品・サービスなどの認知促進、ファンの獲得などを目的として行います。
SNSを利用するメリットとして、アカウントは無料で作成できること、顧客と双方向でコミュニケーションが可能なことなどがあります。広く一般的にも普及しているツールであることもあり、比較的導入のハードルは低いですが、その分、競合も多くなるため、戦略を立てて運用することが大切です。
メルマガ
メルマガはメールマガジンの略で、企業などからEmailを使って配信されるメールマーケティングの手法のことです。
最新情報やクーポンなど顧客にとって役に立つコンテンツを定期的に発信することで、自社製品・サービスへの理解を深めてもらったり、キャンペーンサイトや問い合わせページなどに遷移してもらったりするなどが可能。見込み顧客を成約に繋げるための有効な手段となっています。
オウンドメディア
オウンドメディアは「自社で所有するメディア」の総称のことで、広義ではコーポレートサイトやパンフレットなども含まれますが、Webマーケティングにおいては、コラムやブログ形式の読み物コンテンツを指すのが一般的です。
顧客の悩みが解決できるような内容を掲載することで、まだ自社のことを知らない潜在顧客との初回接触を図るほか、企業・製品・サービスについての理解を深め、潜在顧客をファンやリピーターに育てていくことを目的としています。
オウンドメディアについては、こちらの「オウンドメディアマーケティングとは?見込み客を獲得する仕掛けについて」でも、詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動を自動化するツールのこと。自社の製品・サービスとマッチする見込み顧客の獲得から育成、成約率が高まった状態の見込み顧客を抽出してくれるため、企業のマーケティングの自動化・効率化が実現します。
物流業におけるマーケティング成功のポイント
Webマーケティングには、さまざまな種類の施策があることがお分かりいただけたと思いますが、実際に物流業でマーケティングを成功させるためには、どのような点に注意しておけばいいのでしょうか?
ここからは、物流業におけるマーケティング成功のポイントについて解説していきます。
顧客ニーズを理解する
物流業においてマーケティングを成功させるには、顧客のニーズの把握しておくことが重要です。顧客ニーズに合わせた製品・サービスを的確に提供することで、市場における価値を高めることができるため、価格戦略に依存しない高い競争力を付けることができます。
ですので、マーケティングに取り組む際は“なんとなく”顧客はこういうことを求めているんだろうと判断するのではなく、商談時のヒアリングはもちろん、SNS上の口コミ、問い合わせ内容や顧客アンケートなど、顧客ニーズの把握に繋がる情報・データを定期的に収集して分析することが大切です。
ターゲットを絞る
企業のあらゆる施策で重要となるターゲティングですが、物流業のマーケティングにおいても例外ではありません。
「誰に」向けてなのかが明確でないまま闇雲にマーケティング施策を展開しても、訴求内容が誰にも伝わらず、成約に繋がるリードが見込めないほか、幅広く訴求することによって多額のコストがかかってしまうことにもなります。
ですので、マーケティング施策を行う際は、まずターゲットを絞って確実にその層にマッチする施策を展開するようにすることが大切です。
短期戦略・長期戦略を使い分ける
マーケティング施策には、一気に施策を展開して成果を得る短期的戦略と、年単位で施策を実行する中長期戦略があるため、自社の特性や目的に合わせて使い分けることが大切です。
例えばWebマーケティングを例に挙げると、Web広告を配信すればその期間は一時的に集客数や売上が伸びるなど、すぐに効果が見える傾向がありますが、逆に配信を止めるとその効果も止まってしまいます。一方で、オウンドメディアやSNSなどはすぐに効果は出ませんが、積み上げられた投稿はインターネット上に残るため、一度効果が出始めると長期的に成果を上げてくれるツールとなります。
このように、一口にWebマーケティングと言っても施策によって特性が異なるため、物流業においてマーケティングを成功に導くためには、短期的戦略と中長期的戦略を上手く組み合わせて行うことも重要です。
専門家に相談する
マーケティング施策にはさまざまな種類があるため、成功させるためには専門知識が必要です。しかし、専門知識のある人材が社内にいないと「とりあえず社内の人間だけで始めてみたけれど、コストと労力だけが消費されて、何の成果も出なかった…」となってしまうことも少なくありません。
ですので、マーケティングの知識がある担当者がいない場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。
マーケティングの専門家であれば、豊富な経験をもとに最短距離での成果の出し方やノウハウがあるため、結果的に労力・コストの削減にもつながります。
物流業のWebマーケティング戦略ならマーケティングユニットへ!
今回は物流業がマーケティングに取り組むべき理由や取り入れたい施策について解説してきました。マーケティングを業務に組み込むことで、競合との差別化や成果の最大化などが期待できるため、この記事を参考に、ぜひ一度、自社に合ったマーケティング施策とは何なのかを検討してみてはいかがでしょうか?
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