美容室は、店舗数がコンビニの5倍近くあると言われているほど競合の多い業界。そんな競争の激しい美容業界で生き残るためには、マーケティングによって他社との差別化や集客力の強化を図る必要があります。
しかし、マーケティングと言っても、どのようなメリットがあるのか、またどのような施策を行えばいいのか分からない…という経営者の方も少なくないはず。
そこで今回は、美容室経営にマーケティングが必要な理由やメリットとあわせて、美容室の集客・ブランディングに効果的なWebマーケティング施策についてご紹介します。「美容室の集客が上手くいかない…」「リピーターが付かない…」など、課題をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
美容室経営にマーケティングが必要な理由とは?
年々、右肩上がりに増え続ける美容室の店舗数。令和4年度の調査では美容室が全国で269,889軒と過去最高となっており、今後もますます顧客獲得競争が激化するものと思われます。
そんな中で効率的に集客を行うには、マーケティングが重要なカギとなります。
マーケティングとは、「商品やサービスが自然に売れるような仕組みを作ること」。つまり、ターゲット顧客のニーズを分析し、それに合った商品・サービスを展開、その上で顧客が「この美容室に行ってみたい」「この美容室じゃなきゃダメだ」と思うような価値付けをする一連の流れを戦略的に行うのがマーケティングとなります。
このマーケティング活動を行うことで、競争の激しい美容業界でも、自然に顧客に選んでもらえるような美容室を作ることができるため、美容室経営に欠かせない重要な手段となります。
参考:厚生労働省「令和4年度 衛生行政報告例」
美容室経営にマーケティングを取り入れるメリット
効率的に集客を行うために欠かせないマーケティングですが、美容室経営にマーケティングを取り入れるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、代表的なメリットについて解説していきます。
集客力が強化できる
美容室の集客力が強化できるという点は、マーケティングの大きなメリットとなります。
特に、マーケティング施策の中でもWebサイトやSNSなどインターネットを利用したものであれば、多くの顧客に対して一気にアプローチが可能。従来のような雑誌や新聞、チラシ配布などのオフライン施策よりも幅広い地域やターゲット層に情報発信ができるため、これまで情報が届けられなかった顧客の獲得が期待できます。
顧客は全く知らない美容室よりも、「聞いたことがある」「SNSで見たことがある」など、少しでも認知しているお店を選ぶ傾向にあるため、マーケティングを積極的に行うことで集客力の強化が期待できます。
競合との差別化ができる
数多ある競合の中から選ばれる美容室にするには、競合との差別化が重要となります。しかし、自身の経営する美容室の強みや業界内でのポジションなど、何となくでしか把握していない…というケースは少なくありません。
しかしマーケティングリサーチ(市場調査)を行うことで、商圏内におけるニーズや自身の美容室の立ち位置、また競合の特徴などを把握することができるため、「カラーが得意な美容室」「くせ毛を扱うのが上手い美容室」「夜遅くまで施術可能な美容室」…など、どのような点が強みなのかを明確化する際に役立ちます。
コストが抑えられる
マーケティングを行うメリットの3つ目は、コストが抑えられるという点です。
特にWebを活用すれば、例えばこれまで数十万から数百万円かかっていた雑誌広告の出稿費用が、Web広告であれば数万円からと安価に。またSNSであれば、無料でアカウントが作成できるため、社内の人件費のみで抑えることもできます。
もちろん利用する媒体や期間、達成目標などによって費用感も異なりますが、マーケティング戦略を立てて最適なターゲット層に最適な方法・タイミングでアピールしていくことにより、コストを抑えつつもより効率的に成果を上げることが可能となります。
ブランディングできる
マーケティングを行うことによってブランディングができるという点もメリットの一つです。
例えば、SNS・ブログを通して美容室の情報を発信することで、「この美容室はこんなコンセプトなんだ」「くせ毛でもこんなに可愛くしてくれる美容室なんだ」など、美容室のブランドイメージを創り上げることができるほか、情報発信をし続ければ、徐々に多くの人の目に留まることになり、認知促進にも有効。戦略立ててマーケティングを行うことにより、美容室に好印象を持ってもらえれば、お店のファンやリピーターの獲得も期待できます。
美容室が取り組んでおきたいWebマーケティング施策
集客やブランディングに効果を発揮するマーケティングですが、一口にマーケティングと言っても市場調査から広告宣伝・販売促進までと範囲が広いため、まず何から手を付ければいいか分からない…という美容室経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、ここからは現代のビジネスシーンには欠かせないWebマーケティングに絞り、ぜひ美容室経営に取り入れておきたい効果的な施策例についてまとめていきます。
美容室予約サイトへの掲載
美容室が取り組んでおきたいWebマーケティングの定番と言えば、美容室予約サイトへの掲載ではないでしょうか?
- 多くの美容室の中から自分に合った美容室が探せる
- 気になる美容室があればそのまま予約することができる
- お得なクーポンがある
…などの理由から、美容室を探している多くのユーザーが利用するため、新規顧客を獲得するためには利用しておきたいツールとなっています。
ただ便利である分、競合の店舗も多く掲載されているほか、クーポン目的で来店するユーザーも多いため、競合との差別化や再来店を促す施策とセットで検討する必要があります。
Web広告
美容室予約サイトへの掲載以外にも、検索エンジンや他社のWebサイトなどに広告を出稿するWeb広告も、美容室におけるWebマーケティングで検討したい施策の一つとなっています。
Web広告には、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果にテキストで表示される「リスティング広告」や、Webサイトやアプリなどに画像や動画などが表示される「ディスプレイ広告」など、さまざまな種類がありますが、中でも美容室の特性にマッチするのが、SNS上に広告を表示する「SNS広告」です。
特にInstagramは画像投稿がメインなので、美容室が得意とするヘアスタイルやヘアセットを視覚的にアピールすることができるほか、性別・年齢・地域などでターゲットを絞って広告を表示させることが可能。また、プロフィールページから予約できる機能と併用することで、初めての来店に対するハードルを下げることもできます。
Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールとは、Google検索やGoogle Map上に自身の美容室情報を表示することができるマーケティングツールのことです。
このGoogleビジネスプロフィールは無料で利用が可能。店舗名・住所・電話番号などの基本情報のほか、営業時間や公式ホームページ、写真などが編集・管理できるため、実店舗を持つ経営者であればぜひ利用しておきたいツールです。
SNS
X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどのアカウント運用を通して認知促進や顧客のファン化を狙うSNSも、美容室におけるWebマーケティングには欠かせません。
SNSは、
- アカウントの作成が無料でできる
- ユーザーとのコミュニケーションがリアルタイムで行える
- 数値データが取れる
…などメリットが多く、個人経営の美容室でも比較的導入しやすいマーケティングツールとなっています。
ただSNSを運用している競合も非常に多く、戦略立てて運用しなければ他社の投稿に埋もれてしまうため、事前にしっかりとどう差別化するのかを検討しておきましょう。
メルマガ
メルマガ(メールマガジン)も美容室の集客を行う上で役立つツールの一つで、主にリピーター獲得に有効な手法。
メルマガによって美容室のコンセプトや商品・サービスの特徴など、より詳細な情報を定期的に配信することで、美容室に対する信頼度が上がりやすくなるため、顧客のファン化・リピータ化を狙うことができます。
ただし、顧客側はあまりにも頻繁にメルマガが送られてきたり、顧客にとって役に立たない内容ばかりだったりすると登録を解除してしまうため注意が必要です。メルマガを配信する際には、配信の頻度やタイミングを慎重に検討するほか、クーポンやヘアセットのコツといった顧客にとってお得な情報を盛り込むなど、戦略立てて計画的に行いましょう。
オウンドメディア
美容室のWebマーケティングにおいては、オウンドメディアも有効な手段の一つです。
オウンドメディアとは、「自社で所有するメディア」の総称のこと。広義では自社サイトやパンフレットなど、あらゆる自社運営のメディアを含みますが、Webマーケティングにおいてはコラムやブログ形式の読み物のことを指します。
このオウンドメディアにSEO対策を行い、GoogleやYahoo!などの検索結果上位に表示させることで、自社のことを知らない顧客の流入が狙えるため、美容室の認知促進だけでなく美容室予約サイトに依存せずに自社で集客を行いたい場合にも適しています。
またオウンドメディアであれば、美容室のこだわりや美容師の技術力など、コーポレートサイトやSNSなどでは掲載しきれない詳細な情報を詳しく伝えることができるため、競合との差別化や顧客のファン化・リピーター化施策としても有効です。
美容室のマーケティングを成功させる秘訣は?
美容室経営にマーケティングを取り入れる際、戦略を立てずに進めてしまうと思ったように効果が出ずに労力やコストだけがかさんでいくことになります。では、マーケティングを成功させるためには、どのような点に注意しておけばいいのでしょうか?
ここからは、美容室のマーケティングを成功に導くために、事前に検討しておきたいポイントについて解説していきます。
自分の美容室の強みを明確化する
数多くの美容室の中から選んでもらうためには、まず、自分の美容室の強みは何なのかを明確化させておく必要があります。
もちろん何にでも対応できる美容室を目指すことは大切なのですが、それをアピールポイントにしたとしても、顧客側からすると「何でもできる=得意なものがない」と捉えてしまうもの。これと言った強みがなければ、多くの競合店舗に埋もれて顧客に見つけてもらえません。
ですので、例えば「カラーが得意な美容室」「くせ毛を扱うのが上手い美容室」「夜遅くまで施術可能な美容室」…など、美容室の“売り”となる部分はどこなのかを明確化し、それをコンセプトとして打ち出すことが大切です。
ターゲットを絞る
美容室の経営者であれば、「できるだけ多くのお客様に来店してほしい」と思うものです。しかし、「誰でもいいから来店してね」と闇雲にマーケティング施策を展開しても、顧客の心をつかむことはできません。
ですので、美容室のマーケティングを行う際は、まず自身の美容室の強みに合わせてメインとなるターゲット層を絞りましょう。顧客の軸となるターゲット層の獲得に狙いを定めることで、「誰に」「何を」「どのように」伝えるべきかが明確化され、効果的に集客を行うことができます。
マーケティングの専門家に相談する
美容室経営にマーケティングを取り入れたいと思っても、成果を出していくには専門知識が必要となります。
しかし、マーケティングの経験者や専門知識のあるスタッフを抱えている美容室はそれほど多くはなく、「とりあえずSNSやブログを始めてみたけれど、全然集客に結びつかない…」「広告出稿をしてみたけれど、費用の割に成果を実感しない…」などという状況に陥ってしまっている美容室も少なくありません。
もしマーケティングの経験者がいない、また、思うように成果が出ない場合などは、一度マーケティングの専門家に相談してみることをおすすめします。
特にWebマーケティングは時代とともに常に手法が変化していくもの。マーケティングの専門家であれば時代の変化を読み取りつつ、豊富な経験とノウハウで目的達成まで導いてくれるため、自社の課題に寄り添ってサポートしてくれるマーケティング会社を探しておくと良いでしょう。
美容室のWebマーケティングならマーケティングユニットへ!
今回は美容室経営にマーケティングが必要な理由やメリット、集客やブランディングのための代表的なWebマーケティング施策についてご紹介してきました。
美容室経営にマーケティングを取り入れることで、集客力の強化やブランディング効果が期待できるため、今回ご紹介した施策を参考に、自身の美容室では何を取り入れるべきか検討してみてはいかがでしょうか?
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